有給休暇を取りやすいよう対応?首相の発言

新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、経済に与える影響が懸念されています。
先月の2月28日、「有給休暇」がツイッターのトレンド上位にあがりました。安倍首相から小中高校の休校要請に関連して「経済界にも、有給休暇を取りやすいよう対応してくださいとお願いする」という発言があり、この「有給休暇」を持ち出したことへの違和感が噴出しました。
年次有給休暇とは心身の健康を守るために必要な労働者に与えられる権利であり賃金が減額されない休暇のことを言います。これは従業員にとっても企業にとっても、気になる話題ではないでしょうか。

そこで、新型コロナウイルスの影響による休業に関する疑問を、厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&Aよりピックアップしてみました。

労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

※ このQ&Aについては、令和2年3月11日時点での内容です。

年次有給休暇と病気休暇の取り扱い

新型コロナウイルスに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどのようになりますか。

年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇により対応する場合は、事業場の就業規則などの規定に照らし適切に取り扱ってください。
なお、使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないことに留意してください。

パートタイム労働者等への適用について

パートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者などの方についても、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与は必要でしょうか。

労働基準法上の労働者であれば、パートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者など、多様な働き方で働く方も含めて、休業手当の支払いや年次有給休暇付与が必要となっています。
労使で十分に話し合い、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えてください。

特別休暇の導入の手続

新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、有給の特別休暇制度を設けたいと考えています。制度を設けるに当たっての具体的な手続はどのようになりますか。

労使の話し合いによって、事業場で有給の特別休暇制度を設けることができます。その場合には、労働者が安心して休めるよう、就業規則に定めるなどにより、労働者に周知していただくことが重要です。
就業規則の定め方など、導入に当たっての具体的な相談は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)の「働き方・休み方改善コンサルタント」が受け付けています。

都道府県労働局雇用環境・均等部(室)

また、今般の新型コロナウイルス感染症対策として、新たに特別休暇の規定を整備した中小企業事業主を支援するため、既に令和2年度の受付を終了していた時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)について、新たに特例的なコースを設け、3月9日(月)より申請の受付が開始されました。

職場意識改善特例コース

リーフレット「就業規則を作成しましょう」

モデル就業規則

リーフレット「病気休暇制度 支えられる安心、支える安心」

事例集「社員と会社が元気になる休暇制度導入事例2018」

様々な支援策

年次有給休暇とは心身の健康を守るために必要な労働者に与えられるものであり、企業には従業員を守るための対策が求められています。しかしこの状況下、企業自体を守られなければ、従業員を守ることができなくなります。
企業支援に関しては国の支援策も始まっています。資金繰り支援(貸付・保証)、中小企業・小規模企業の相談窓口、情報通信関連企業によるテレワーク導入に対する支援情報など、様々な支援策があります。
また、経済産業省は、新型コロナウイルス感染症の影響により、全国の中小企業・小規模事業者の資金繰りが逼迫していることを踏まえ、既に実施したセーフティネット保証に加えて、危機関連保証を初めて発動することとしたそうです。これにより、売上高等が急減する中小企業・小規模事業者においては、一般保証及びセーフティネット保証とはさらに別枠となる100%保証が利用可能となります。

感染に関する話題ばかりが先行していますが、企業の支援についても、もっと多くアナウンスしてほしいですね。国の支援策については経済産業省サイトを参考にしていただければと思います。

経済産業省の支援策(2020年3月12日時点)


新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(厚生労働省)を加工して作成