参考になる!「業務改善助成金」事例

前記事「業務改善助成金で生産性向上を目指そう」でご紹介したように、従業員の賃金を引上げ生産性向上を実現ことができる業務改善助成金。
業務改善助成金を申請したいが、実際にどのように活用するのかイメージが湧かない。。という方に、平成28年度の制度に基づく事例から、いくつかいろいろな業種の生産性向上に資する設備・機器の導入例をご紹介してみます。

農業

導入前の状況
  1. 近年になり生産量が回復してきたが、1台保有していた自動梱包器では足りず、手作業による梱包の時間が増え、作業に長時間を要していた。
  2. ハウス内で異常が発生していないか定期的に計器等の確認をしており、確認のための負担が大きかった。
設備投資等の内容
  1. 自動梱包器
  2. ハウス内計器の警報装置

導入後の効果

  1. 自動梱包器を生産ラインに追加することで作業時間を短縮化した。また、半自動梱包器は場所を取らず小回りが利くことから、生産ライン外での作業時間を短縮化した。機械導入により、作業効率を大幅に改善し、1日当たりの製造に要する労働能率の増進が図られ、結果として30%程度の作業時間の削減が達成できた。
  2. 警報装置を導入することで、異常が発生した場合に従業員の携帯等に通知がされるように改善した。警報装置導入により、作業時間を大幅に改善することが可能となり、1日当たりの点検に要する労働能率の増進が図られ、結果として30%程度の作業時間の削減を達成した。

建設業

導入前の状況

これまでは、現場管理は、現場責任者と事務所間で電話及びメールで確認することにより行っていた。
具体的には、前者の現場全体の進行状況を事務所予定表を写真で随時撮影し、現場責任者にメールに添付することにより、周知していた。また、現場における、労働者及び下請業者の勤怠管理については、現場責任者と事務所の間で、電話などで毎日行ってきた

設備投資等の内容

現場・勤怠管理

導入後の効果

これらの業務を、一括して管理できるスマートフォン用のアプリケーションソフトの導入により、事務所と現場責任者との一元的な現場管理(工事現場の今後の詳細な予定及び進捗状況の把握)及び勤怠管理(時間外労働時間及び時間単位での有給休暇管理)が容易に行うことができることにより、事務所における現場・勤怠管理の作業効率が向上し、20%程度短縮することができ、労働効率の増進を図ることができた。

食料品製造業

導入前の状況

実績集計(取引先別、地域別、月次、年間実績、年別実績)は手作業で集計していた。

設備投資等の内容

POSシステム

導入後の効果

POSシステムの導入により、即時に実績集計(取引先別、地域別、月次、年間実績、年別実績)が可能となり経営戦略が立てられるようになった。また、売上請求から取引先ごとの実績集計などをシステム一元化管理ができ、この作業に要する時間が50%以上短縮することができ、業務改善を図ることができた。

繊維工業

導入前の状況

織機の動作不良時の調整や織物の種類による部品交換に時間を要していた。

設備投資等の内容

織機2台を、コンピュータ制御の最新機器を組み込んだものに改造

導入後の効果

織機の動作不良時の調整や織物の種類による部品交換に係る時間が大幅に短縮され、また、最新技術による機器が組み込まれたことにより自動化が進み、製織工が織機に付きっきりになる必要がなくなり、労働者の負担が軽減し、不良品(B反)の発生が減少し、生産性が向上した。

プラスチック製品製造業

導入前の状況

今までは3DCADが無かったため、お得意様からの新規・改良金型製作依頼は、当社から金型製作所へ赴き、図面を出してもらってから、お得意様からの要望を説明していた。その為、時間もかかり費用も多くかかっていた

設備投資等の内容

3DCADシステム

導入後の効果

お得意様からの依頼に素早く対応できるようになった。新規の依頼も期待でき、受注増に繋いでいける。今後は、自社製品の開発にも取り組んでいく。

金属製品製造業

導入前の状況

材料を加工する前に材料に付着している汚れ(主に油)を脱脂液にて製品を洗浄している。材料の凹凸によっては、脱脂液洗浄でも汚れが取れない部分があり、不良製品へとつながることが多く、一材料洗浄するに、現状60分掛かり4%の不良が出る状況であった。

設備投資等の内容

超音波洗浄機

導入後の効果

超音波洗浄機を導入し、材料に付着している汚れ(主に油)が簡単に取れ生産性向上が図れている。作業処理スピードが16%速くなり、時間換算すると現状60分掛かる作業時間が50分で出来る様になった。1日に換算すると240分(4時間)の時間短縮が図られている。24時間工場を稼働しており、1週5日で1,200分(20時間)、1ヶ月4週で4,800分(80時間)の時間短縮が図られている。また、4%の不良がほぼ0%になるためメリットが非常に大きい。

電子部品・デバイス・電子回路製造業

導入前の状況

原価管理及び生産管理が一元管理できておらず、作業に時間を要していた

設備投資等の内容

原価管理及び生産管理システム

導入後の効果

原価管理及び生産管理システムの導入により、日々の生産状況の把握、原価率の日々の管理、作業者の生産性の管理及び分析をシステムで一元化管理する。これにより、この作業に必要となる時間を75%程度短縮することができ、生産性向上を図ることができた。

梱包業

導入前の状況

現在はタイムカードに打刻された従業員の就業時間を従業員1名がパソコンに入力しており、その作業に毎月2回程度で述べ6時間程度の残業となっている。また、有給休暇や遅刻早退等のチェックは別の社員が行っている。さらに、作業中はパソコンを占有してしまうため他の社員が作業日報の入力業務を行えない状態であった。

設備投資等の内容

勤怠管理ソフト付タイムレコーダー

導入後の効果

今まで手入力で行っていた就業時間入力を大幅に削減することができ、合わせて転記ミスも減らすことが出来た。これにより入力業務担当者の残業時間の削減と入力ミスの削減につながった。

歯科医院

導入前の状況

従来は、診療の予約管理は紙台帳ベースで手作業で行っていた。また、予約の受付・確認・変更等で必須となる診療記録との照合も、電子カルテシステムとの連動がないため、その都度目視を強いられ、診療ユニット別担当管理が非効率になっていた。これらの作業は、1日の業務時間のうち約1.5時間程度を費やしていたが、時間的な負荷のみならず、変更・追加に伴う関連情報の修正もれやミスも起きやすく、その確認作業により主業務に集中できず労働能率を阻害する要因となっていた。

設備投資等の内容

予約管理システム

導入後の効果

予約管理をIT化するとともに、電子カルテシステムとの連動を図り、患者の診療記録と予約管理・ユニット担当予定を一元管理することができる予約管理業務支援システムを導入した。これにより、これらの作業に必要な時間を約50%短縮することができ、時間短縮と標準化による業務の質の改善、労働能率の向上を図ることができた。

どんな業種でも導入しやすいのは?

このように多くの業種で助成金により、業務改善を実現しています。大がかりな設備となると、いくら助成金を受けられるとしても難しい場合もあるかもしれません。
事例の中で勤怠管理システムを導入した企業がいくつか見うけられました。勤怠管理なら、どんな業種でも導入しやすくメリットも大きいと思います。
設備導入が大がかりで難しい場合は、勤怠管理システムの導入を検討されてみてはいかがでしょう。



「[2]業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援」(厚生労働省)
を加工して作成