今年は得に重要!インフルエンザのワクチン摂取

ワクチン摂取

これから冬にかけて新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行するおそれがあり、この2つは症状がよく似ているため、対応が難しくなると懸念されています。
厚生労働省の発表では、2020年は過去5年で最大量(最大約6300万人分)のワクチンを供給するとのこと。今シーズンは例年より多い供給量が確保されていますが、新型コロナウイルス感染症の流行が懸念される中、症状の類似した疾患の発症をできるだけ減らし、なにより医療負荷を軽減する観点から、インフルエンザ予防のためにワクチン摂取が重要となります。
インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。日本でもワクチン接種をする方が増加する傾向にあります。

2019-2020季節性インフルエンザの発生状況

昨年から今年にかけての発生状況を見てみましょう。
2019年インフルエンザの流行開始時期は11月下旬と、前シーズン同様早い開始。流行のピークの時期は、12月下旬から2020年1月上旬と、過去2シーズンより早いピークがきました。ピークの高さは過去2年と比較して低く推移しており、累積受診者数(推計)は、前シーズン約1170.4万人のところ、約729.8万人

病原体のシーズン全体に占めるは、A/H1pdm09亜型が86%、B型が12%、AH3亜型が2%の順。入院患者数(約1.3万人)は、過去2シーズン(約2万人)と比較して大きく減少しましたが、15~59歳ではICU利用と人工呼吸器使用の数と割合が過去2シーズンより高い傾向でした。

累積受診者数、入院患者数は前シーズンより減っているとは言えかなりの数であり、ICU利用と人工呼吸器使用が増えている点は、今回のコロナ禍において不安材料となっています。

インフルエンザワクチンの接種回数は?

  1. 13歳以上は、1回接種を原則とし、ワクチンの添付文書には「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。
  2. 13歳未満は、2回接種です。1回接種後よりも2回接種後の方がより高い抗体価の上昇が得られることから、日本ではインフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は次のとおりとなっています。なお、1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を行っても差し支えありません。
    1. 6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種
    2. 3歳以上13歳未満の方 1回0.5mL 2回接種
  3. 諸外国の状況について、世界保健機関(WHO)においては、ワクチン(不活化ワクチンに限る。)の用法において、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回注射」が適切である旨、見解を示しています。また、米国予防接種諮問委員会(US-ACIP)も、9歳以上(「月齢6ヶ月から8歳の小児」以外)の者は「1回注射」とする旨を示しています。

詳細はこちら
厚生労働省 インフルエンザQ&A

インフルエンザワクチンの型とは?

現在国内で広く用いられているインフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスA型株(H1N1株とH3N2株の2種類)及びB型株(山形系統株とビクトリア系統株の2種類)のそれぞれを培養して製造されているため、「4価ワクチン」と呼ばれています。

亜型 ワクチン製造株
A型H1N1※ A/広東-茂南/SWL1536/2019(CNIC-1909
(2019/20シーズンから変更)
A型H3N2 A/香港/2671/2019(NIB-121)
(2019/20シーズンから変更
B型山形系統 B/プーケット/3073/2013
(2019/20シーズンの製造株と同一株)
B型ビクトリア系統 B/ビクトリア/705/2018(BVR-11)
(2019/20シーズンから変更)

※ ※ A型H1N1pdm09(以下同じ)

インフルエンザワクチンの効果

インフルエンザにかかる時は、インフルエンザウイルスが口や鼻あるいは眼の粘膜から体の中に入ってくることから始まります。体の中に入ったウイルスは次に細胞に侵入して増殖します。この状態を「感染」といいますが、ワクチンはこれを完全に抑える働きはありません。

ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が出現します。この状態を「発病」といいます。インフルエンザワクチンには、この「発病」を抑える効果が一定程度認められていますが、麻しんや風しんワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することはできません。
発病後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。これをインフルエンザの「重症化」といいます。特に基礎疾患のある方や高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、「重症化」を予防することです。
国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。

インフルエンザワクチンの有効性

「インフルエンザワクチンの有効性」は、ヒトを対象とした研究において、「ワクチンを接種しなかった人が病気にかかるリスクを基準とした場合、接種した人が病気にかかるリスクが、『相対的に』どれだけ減少したか」という指標で示されます。6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています。

  • ワクチンを接種しなかった方100人のうち30人がインフルエンザを発病(発病率30%)

  • ワクチンを接種した方200人のうち24人がインフルエンザを発病(発病率12%)

  • ワクチン有効率={(30-12)/30}×100=(1-0.4)×100=60%

ワクチンを接種しなかった人の発病率(リスク)を基準とした場合、接種した人の発病率(リスク)が、「相対的に」60%減少しています。すなわち、ワクチンを接種せず発病した方のうち60%(上記の例では30人のうち18人)は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができた、ということになります。

現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。

今年のインフルエンザワクチン摂取時期

日本では、インフルエンザは例年12月~4月頃に流行し、例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えますので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられますが、今年に関しては厚生労働省から以下のご協力のお願いが通達されています。

10月 1日~

65歳以上の方(定期接種対象者)
接種希望の方はお早めに

※65歳以上の方のほか、60歳から65歳未満の慢性高度心・腎・呼吸器機能不全者等
※定期接種の開始日は、お住まいの市町村で異なりますのでご確認下さい。

上記以外の方は10月26日まで接種をお待ちください

10月26日~

医療従事者/基礎疾患を有する方/妊婦/生後6ヶ月~小学校2年生
接種希望の方はお早めに
上記以外の方も接種できます

まとめ

冒頭にも述べましたが、ただでさえ新型コロナウィルスの対応に迫られている医療従事者の負担を軽減する観点からも、今年は得にインフルエンザワクチン受けましょう。その上で一人ひとりが新型コロナウィルスと同じ予防策を、企業としては職場の感染対策サーマルカメラによる測温などあらゆる感染防止策をとり、感染しない、感染を広めない努力を続けていくことが必要です。

厚生労働省WEBサイト
季節性インフルエンザ(2019/20)の発生状況について(概要)
2020/21シーズンのインフルエンザワクチンの供給について
インフルエンザQ&A
より抜粋して作成