【65歳超雇用推進助成金】意欲・能力・体力のある高齢者を活用

高年齢者の雇用の推進を図ることを目的とし、2016年に「65歳超雇用推進助成金」が創設されました。労働人口が減少する昨今、助成金を利用して高年齢者を雇用し人手不足解消に取り組む企業が増えているようです。
この記事では、令和5年度65歳超雇用推進助成金について紹介します。
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「65歳超雇用推進助成金」現在の高齢者とは
我が国の総人口は、2021年10月で1億2,550万人。65歳以上人口は、3,621万人となり、高齢化率が28.9%となりました。
しかし、以前の「改正高年齢者雇用安定法」の記事で紹介したように、20年前に比べ、65歳以上の体力が大きく向上していることがわかっています。すでに2014年において「高齢者とは何歳以上か」という質問に対して「65歳以上」とする人は1割に満たず、「年齢では判断できない」とする割合も増えていました。
さらに日本老年学会・日本老年医学会が、近年の高齢者の心身の老化現象に関する種々のデータの経年的変化を検討した結果、特に65~74歳では心身の健康が保たれており、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めているとのことです。
出典:内閣府 高齢化の状況(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_1_1.html#column)
また、インターネットの利用についても、2020年の調査では60〜69歳で82.7%と高く、2010年の64.4%から大きく飛躍しています。また、SNSの利用率についても、60代で60%と、半数以上がSNSを活用している状況です。
10〜20年前の高齢者に対する認識を、大きく改める必要があるでしょう。
利用者の年齢階級別インターネット利用率

体力やITリテラシーも持ち合わせ、経験豊富で即戦力になる高齢者を雇用するメリットは大きいといえます。
そんな中、65歳以上への定年引上げ等や高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換した事業主に対して助成し、高年齢者の雇用の推進を図ることを目的とした「65歳超雇用推進助成金」が活用されています。
「65歳超雇用推進助成金」について
65歳超雇用推進助成金には、65歳超継続雇用促進コース、高年齢者評価制度等雇用管理改善コース、高年齢者無期雇用転換コースの3つがあります。それぞれの概要を紹介します。
65歳超雇用推進助成金 1. 65歳超継続雇用促進コース
以下のいずれかを実施した事業主に対して助成されます。
- 65歳以上への定年引上げ
- 定年の定めの廃止
- 希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
- 他社による継続雇用制度の導入
支給額

主な支給要件
- 制度を規定した際に経費を要した事業主であること。
- 制度を規定した労働協約または就業規則を整備している事業主であること。
申請受付期間
それぞれ、措置の実施日が属する月の翌月から起算して4か月以内の各月月初から5開庁日まで
「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)支給申請書」に必要な書類を添えて、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の各都道府県支部 高齢・障害者業務課に支給申請します。
65歳超雇用推進助成金 2. 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
高年齢者向けの雇用管理制度の整備等に係る措置を実施した事業主に対して一部経費が助成されます。対象となる措置は以下の通りです。(実施期間:1年以内)
- 高年齢者の職業能力を評価する仕組みと賃金・人事処遇制度の導入または改善
- 高年齢者の希望に応じた短時間勤務制度や隔日勤務制度などの導入または改善
- 高年齢者の負担を軽減するための在宅勤務制度の導入または改善
- 高年齢者が意欲と能力を発揮して働けるために必要な知識を付与するための研修制度の導入又は改善
- 専門職制度など、高年齢者に適切な役割を付与する制度の導入または改善
- 法定外の健康管理制度(胃がん検診等や生活習慣病予防検診)の導入 等
支給額
上記の支給対象経費の額に下表の助成率を乗じた額が支給されます。
- 中小企業事業主=60%
- 中小企業事業主以外=45%
主な支給要件
- 「雇用管理整備計画書」を(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出して、計画内容について認定を受けていること。
- 上記計画に基づき、高年齢者雇用管理整備の措置を実施し、当該措置の実施の状況および雇用管理整備計画の終了日の翌日から6か月間の運用状況を明らかにする書類を整備している事業主であること。
- 雇用管理整備の措置の実施に要した支給対象経費を支給申請日までに支払ったこと。
受給手続の流れ
- 計画の申請
「無期雇用転換計画書」を計画開始の3か月前の日までに(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に申請し、計画内容の認定を受けます。 - 支給の申請
計画期間終了日の翌日から6か月後の日の翌日~その2か月以内に(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に支給申請します。
65歳超雇用推進助成金 3. 高年齢者無期雇用転換コース
50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用に転換させた事業主に対して助成されます。
支給額
対象労働者一人につき、下表の金額が支給されます。
- 中小企業=48万円
- 中小企業以外=38万円
主な支給要件
- 「無期雇用転換計画書」を(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出し、計画の認定を受けていること。
- 有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度を労働協約または就業規則その他これに準ずるものに規定していること。
- 上記2の制度の規定に基づき、雇用する50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換すること。
- 上記2により転換された労働者を、転換後6か月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して転換後6か月分の賃金を支給すること。
受給手続の流れ
- 計画の申請
「無期雇用転換計画書」を計画開始の3か月前の日までに(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に申請し、計画内容の認定を受けます。 - 支給の申請
対象者に対して転換後賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内に(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に支給申請します。
※各コースそれぞれ条件や注意事項がありますので、申請される場合は(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構で詳細を確認してください。
(高齢・障害・給食者雇用支援機構ホームページ https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/index.html)
【65歳超雇用推進助成金】意欲・能力・体力のある高齢者を活用:まとめ
65歳超雇用推進助成金は、生涯現役社会の実現に向けて、高年齢者の雇用の推進を図ることを目的としていますが、高齢者といっても、ITリテラシーを身につけ、健康に対する意識が高い人も多く、10年前の認識を大きく改める必要があります。
企業にとっても、意欲・能力・体力のある高齢者を雇用することは、労働力不足の解消だけでなく、優秀な人材を確保できる上、豊富な経験や人脈が役立つ場合もあり、企業にとってさまざまなメリットが考えられます。
体力が気になるという場合は、シフト制などを利用することで、年齢にあった働き方が可能となるでしょう。
特に中小企業は、今後ますます人材確保が難しくなっていきます。65歳超雇用推進助成金を利用し、年齢にこだわらず能力に着目した採用を行うことで、人材不足解消に取り組んでいきましょう。
厚生労働省:令和5年度65歳超雇用推進助成金のご案内
(https://www.mhlw.go.jp/content/001075313.pdf)を加工して作成
