【ものづくり補助金】グリーン枠は最大5,000万円、通年で公募あり

日本の経済を支える中小企業は、昨今の人手不足、エネルギー価格高騰、環境問題対策など大きな課題を抱えながら、革新が迫られています。ものづくり補助金は、中小企業が生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。
この記事では、中小企業の革新をサポートするものづくり補助金について紹介します。
Contents
ものづくり補助金とは
ものづくり補助金とは、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、2020年3月の公募開始以来、通年で公募が行われています。
ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するもので、設備投資等に使える補助上限額750万円~5,000万・補助率1/2もしくは2/3の補助金が交付されます。
※補助上限額や補助率は、申請される枠・類型や従業員の人数によって異なります。
ものづくり補助金には、通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル市場開拓枠の5種類の枠があります。
1. ものづくり補助金:通常枠
革新的な製品・サービス開発又は⽣産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援。
通常枠の上限金額・補助率
| 補助上限金額 | 750万円~1,250万円 |
| 補助率 | 1/2、2/3(小規模・再生事業者) |
2. ものづくり補助金:回復型賃上げ・雇用拡大枠
業況が厳しい事業者※が賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援。
※前年度の事業年度の課税所得がゼロである事業者に限る。
回復型賃上げ・雇用拡大枠の上限金額・補助率
| 従業員規模 | 補助上限金額 | 補助率 |
| 5人以下 | 750万円以内 | 2/3以内 |
| 6人~20人 | 1,000万円以内 | |
| 21人以上 | 1,250万円以内 |
回復型賃上げ・雇用拡大枠の申請要件
- 前年度の事業年度の課税所得がゼロ以下であること
- 常時使用する従業員がいること
- 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること
3. ものづくり補助金:デジタル枠
DXに資する革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援。
デジタル枠の上限金額・補助率
| 従業員規模 | 補助上限金額 | 補助率 |
| 5人以下 | 750万円以内 | 2/3以内 |
| 6人~20人 | 1,000万円以内 | |
| 21人以上 | 1,250万円以内 |
デジタル枠の申請要件
- DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること
- デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善であること
- 経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構に対して提出していること
- 独立行政法人情報処理推進機構が実施する「SECURITYACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行っていること
4. ものづくり補助金:グリーン枠
温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援。
グリーン枠の申請類型・補助上限金額・補助率
温室効果ガス削減の取り組み
| 1 | エネルギーの使用量及びCO2排出量の把握 |
| 電気、燃料の使用量の用途別の把握 | |
| 2 | 自社及び業界・産業全体での温室効果ガス削減に貢献する開発に取り組む製品・サービスへの取り組み |
| 再生可能エネルギーに係る電気メニューの選択 | |
| 再生可能エネルギーの自社発電の導入 | |
| グリーン電力証書の購入実績 | |
| J-クレジット制度の活用実績 | |
| 3 | SBT若しくはRE100への参加 |
| 省エネ法の定期報告の評価において『Sクラス』に該当若しくは、省エネルギー診断を受診 |
| 申請類型 | 従業員規模 | 補助上限金額 | 補助率 |
| エントリー 上記1のいづれか1つを満たす | 5人以下 | 750万円以内 | 2/3以内 |
| 6人~20人 | 1,000万円以内 | ||
| 21人以上 | 1,250万円以内 | ||
| スタンダード 上記1を全て満たし、2のいづれかを満たす | 5人以下 | 1,000万円以内 | |
| 6人~20人 | 1,500万円以内 | ||
| 21人以上 | 2,000万円以内 | ||
| アドバンス 上記1をすべて、 2のいずれか2つ以上、 3のいずれか1つを満たす | 5人以下 | 2,000万円以内 | |
| 6人~20人 | 3,000万円以内 | ||
| 21人以上 | 4,000万円以内 |
グリーン枠の申請要件
- 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発であること、又は、炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善であること
- 3~5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること
- これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと
5. ものづくり補助金:グローバル市場開拓枠
海外事業の拡大等を目的とした設備投資等を支援。海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、海外展開に係るブランディング・プロモーション等に係る経費も支援。
グローバル展開の特性からその他の枠よりも長い事業実施期間が設定されます。(※但し、採択発表日から14か月後の日まで)
グローバル市場開拓枠4つの「類型」
事業の特性から、最も適した類型を選択可能です。
- 海外直接投資類型
グローバルな製品・サービスの開発・提供体制を構築する - 海外市場開拓(JAPANブランド)類型
海外顧客に対して、市場を開拓する - インバウンド市場開拓類型
訪日外国人観光客に対して、市場を開拓する - 海外事業者との共同事業類型
外国法人と共同研究、共同事業開発に伴う設備投資を行う
グローバル市場開拓枠の補助上限金額・補助率
補助金の上限額 3,000万円
下限額は100万円(海外旅費も補助対象)
大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例
補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、上記枠の補助上限を100万円~1,000万円が更に上乗せされます。(回復型賃上げ・雇用拡大枠などは除く)
基本要件に加え、以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定していることが必要です。
- 給与支給総額※を年率平均1.5%以上増加に加え、更に年率4.5%以上(合計で年率6%)増加
- 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準とすることに加え、年額+45円増額
- 応募時に上記1、2の達成に向けた具体的かつ詳細な事業計画の提出
※ 給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く)。
【補助上限の引上げ額】
| 従業員規模 | 上乗せ補助額 | 補助率 |
| 5人以下 | 100万円以内 | 各申請枠の補助率 |
| 6人~20人 | 250万円以内 | |
| 21人以上 | 1,000万円以内 |
- 追加要件が未達の場合の返還規程
補助金交付金額から、各申請枠の従業員規模ごとの補助上限額との差額分について、補助金の返還 - 特例が活用不可となる対象事業者
回復型賃上げ・雇用拡大枠、各申請枠の補助金額の上限額に達していない場合、再生事業者、従業員がいない場合
【ものづくり補助金】グリーン枠は最大5,000万円、通年で公募あり:まとめ
ものづくり補助金は補助金額が大きく、獲得ができれば事業にとって大きなプラスとなる上、事業計画書の作成を機に自社の事業状況を性格に分析できるというメリットがあり、ぜひチャレンジしたい補助金です。
特にものづくり補助金グリーン枠は追加要件や審査が多く、補助金交付後も様々な取り決めがありますが、温室効果ガス排出削減に真剣に取り組もうとしている企業にとっては、通常枠よりも補助上限額や補助率が高く大規模な改革を行うことができます。
ものづくり補助金の採択率は一般型でおおむね50%前後であり、採択の難易度が比較的高い補助金といえますが、2020年3月の公募開始以来、3か月おきに通年で公募が行われていますので、一度不採択となっても、次回以降の公募で再申請を出すことができます。
自社での申請が難しい場合には、ものづくり補助金に強い専門家へ依頼すると良いでしょう。
