ローカルベンチマークとは?企業の健康診断で経営課題を見える化

ローカルベンチマークとは、企業の経営状態の把握、いわゆる「企業の健康診断」を行うツールです。ローカルベンチマーク・シートなどを使用し、企業経営の現状や課題を相互に理解することで、個別企業の経営改善や地域活性化を目指します。
この記事では、ローカルベンチマークの内容や活用効果ついて、紹介します。
Contents
ローカルベンチマークの目的
ローカルベンチマークの目的は、財務面と非財務面の両面から、経営の健康状態を分析・診断し、企業の現状把握を行うことで経営者に「気づき」を与え、経営の改善を促進することです。
第一段階として地域経済の分析を行い、第二段階では企業ヒアリングを通じたロカベンシート作成によって「企業経営の見える化」を行うことで、企業の「稼ぐ力」の源泉がどこにあるかを把握します。
ローカルベンチマーク第一段階:地域経済の分析
ローカルベンチマークで個別企業の経営状態を把握する前に、企業が立地する地域の状態を把握しておくことが推奨されています。
企業の経営状態と共に人口動態や産業構造、観光やまちづくりなど地域の状態を把握することで、より深い経営分析が可能となります。ロカベンシートを活用した企業経営の実態把握と合わせて、地域についても知ることで、経営改善に繋がります。
経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)が提供する、地域経済分析ツールRESASを利用することで、産業構造や人口動態、人の流れなどに関する官民のビッグデータを集約し、可視化することができます。
RESAS(地域経済分析システム)は、地域経済に関する様々なビックデータ(産業の強み、人の流れ、人口動態など)を地図やグラフで、分かりやすく「見える化(明確化)」したシステムです。インターネットのwebサイト上で、誰でも無料で利用できます。
地域経済分析ツールRESAS

RESAS(地域経済分析システム)はこちら
ローカルベンチマーク第二段階:財務情報に基づく分析
6つの財務指標の分析結果を経営者や各支援機関にとって分かりやすい形で提供します。

ローカルベンチマークの企業を表す財務6指標
① 売上増加率(=(売上高/前年度売上高)-1)
キャッシュフローの源泉。
企業の成長ステージの判断に有用な指標。
② 営業利益率(=営業利益/売上高)
事業性を評価するための、収益性分析の最も基本的な指標。
本業の収益性を測る重要指標。
③ 労働生産性(=営業利益/従業員数)
成長力、競争力等を評価する指標。キャッシュフローを生み出す収益性の背景となる要因として考えることもできる。
地域企業の雇用貢献度や「多様な働き方」を考えれば、本来、「従業員の単位労働時間あたり」の付加価値額等で計測すべき指標。
④ EBITDA有利子負債倍率(=(借入金-現預金)/(営業利益+減価償却費))
有利子負債がキャッシュフローの何倍かを示す指標であり、有利子負債の返済能力を図る指標の一つ。
⑤ 営業運転資本回転期間(=(売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商)
過去の値と比較することで、売上増減と比べた運転資本の増減を計測し、回収や支払等の取引条件の変化による必要運転資金の増減を把握するための指標。
⑥ 自己資本比率(=純資産/総資産)
総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める比率を示す指標であり、安全性分析の最も基本的な指標の一つ。
自己資本の増加はキャッシュフローの改善につながる。
ローカルベンチマーク<第二段階・個別企業>
非財務情報ヒアリングシート:1
商流及び業務フローを整理出来るヒアリングシートで、顧客提供価値について考えます。
(例):卸売業

非財務情報ヒアリングシート:2
4つの着目点に関して整理出来るヒアリングシートです。

ローカルベンチマークの目的
企業と支援者、支援者同士が、同じ目線・枠組みで対話を行う「共通言語」として機能を目指しています。
ローカルベンチマークに掲載されている項目は企業の状態を把握するために押さえておくべき基礎的項目が中心であり、関係者が同じ目線で対話を行うための基本的な枠組、あるいは事業性評価の「入口」として活用されることが期待されます。一度ローカルベンチマークを作成しておけば、企業・金融機関・支援者全員が同じ目線・枠組みで対話を行うことが可能となります。
中小企業におけるローカルベンチマークの効果
ローカルベンチマークを活用したことがある中小企業において「活用後のメリットがあった」という回は94.8%にのぼり、活用後の具体的な効果としては「自社の分析・把握」(61.7%)などを中心に、様々な効果が指摘されています。

支援機関におけるローカルベンチマーク活用効果(金融機関)
ローカルベンチマークの活用状況については「活用している」と回答した金融機関が約4割で、業態別では地方銀行・第二地方銀行・信用金庫等において活用度合いが高くなっています。対話や事業性評価のためのツールとしてロカベンシートを活用することで、事業計画策定や円滑な資金調達などの顧客企業支援に繋がっています。

ローカルベンチマークとは?企業の健康診断で経営課題を見える化:まとめ
社会経済情勢が大きく変化する中、経営の現状把握(特に利益の源泉となる非財務情報)が一層重要であり、経営者のみならず、支援機関側も企業の現状把握をしっかり行うことで、適切な支援に繋がるでしょう。中小企業施策とのさらなる連携、金融機関での事業性評価等への一層の活用が期待されています。
中小企業庁:ローカルベンチマークの概要と取組について
(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/kinyu/download/014_04.pdf)を加工して作成
