【有給休暇の時季指定】就業規則への記載例

就業規則

有給休暇の時季指定とは、年次有給休暇が年間10日以上付与される労働者に対し、使用者が時季を指定して5日の有給休暇を取得させる制度です。この有給休暇の時季指定を行う場合は、その旨を就業規則に記載しなければなりません。

この記事では、有給休暇の時季指定の基本原則と、就業規則への記載方法について紹介します。

有給休暇の時季指定

労働基準法が改正された201年4月からは、全ての企業において年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要となりました。

1. 使用者が労働者に取得時季の意見を聴取

(面談や年次有給休暇取得計画表、メール、システムを利用した意見聴取等、任意の方法による)

時季指定の方法1

2. 労働者の意見を尊重し、使用者が取得時季を指定

時季指定の方法2

有給休暇の時季指定を要しない場合

「使用者による時季指定」「労働者自らの請求・取得」「計画年休」
これらいずれかの方法で取得させた年次有給休暇の合計が5日に達した時点で、使用者からの時季指定をする必要はなく、また、することもできないということになります。

(労働者が自ら請求・取得した年次有給休暇の日数や、労使協定で計画的に取得日を定めて与えた年次有給休暇の日数(計画年休)については、その日数分を時季指定義務が課される年5日から控除する必要があります)

有給休暇の時季指定は就業規則へ記載義務あり

休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)であるため、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません。

有給休暇の時季指定:就業規則への記載例

以下はモデル就業規則から有給休暇の時季指定に関する記載例を抜粋したものです。

(規定例)第○条
採用日から6か月間継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日の年次有給休暇を与える。その後1年間継続勤務するごとに、当該1年間において所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、下の表のとおり勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与える。

出典:厚生労働省 モデル就業規則 第5章休暇等(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/model/dl/05.pdf)

有給休暇の時季指定:就業規則への規定を守らないと罰則あり

有給休暇の時季指定」「就業規則への規定」に違反した場合には罰則が科されることがあります。

年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合

労働基準法第120条 30万円以下の罰金

有給休暇の時季指定について就業規則に記載していない場合

労働基準法第120条 30万円以下の罰金

労働者の請求する時季に年次有給休暇を与えなかった場合

6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

【有給休暇の時季指定】就業規則への記載が必須:まとめ

企業は年次有給休暇の一部(通常は5日)を労働者に対して時季を指定して取得させる義務があり、就業規則に明確に時季指定の方法や範囲を記載することが必要です。

就業規則への規定を守らないと罰則あります。
労働基準法違反で書類送検された事例はいくつもあり、どの企業でも労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性がありますが、日頃から労基法に基づいた労務管理をしっかり行っていればこのような心配はありません。今一度、有給休暇、労働時間、就業規則の見直しをしてみましょう。

有給休暇の付与・消滅は、基準日や付与期間が従業員によってバラバラであるため、管理が大変複雑です。就業規則作成や変更も管理者の大きな負担となっています。有給休暇の付与・消失を自動で行うことができる勤怠管理システムを利用すれば、労基法に基づいた管理が可能です。

厚生労働省:年5日の年次有給休暇の確実な取得(https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf)を、加工して作成