【令和7年版】働き方改革推進支援助成金|最適なコースを見つけて健康経営を実現

長時間労働の是正、従業員の健康確保、そして生産性向上は、多くの中小企業にとって喫緊の課題であり、持続可能な経営を実現するための重要な経営戦略となっています。政府は、こうした企業の「働き方改革」への取り組みを強力に後押しするため、さまざまな支援策を設けており、その中でも中核となるのが「働き方改革推進支援助成金」です。
この助成金は、企業の状況や抱える課題に応じて、4つの異なるコースが用意されています。各コースは、それぞれ異なる目的と対象を持ちながら、企業の生産性向上と従業員のワークライフバランス改善を目指すものです。
この記事では、令和7年度の働き方改革推進支援助成金の全体像と、各コースの概要、そしてそれぞれのコースがどのような企業に適しているのかを紹介します。
Contents
働き方改革推進支援助成金とは?その目的と共通の取り組み
働き方改革推進支援助成金は、中小企業が働き方改革を推進し、その取り組みを定着させることを支援する制度です。働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図ることを目的としています。
この助成金を通じて支援される取り組みには、いくつかの共通点が見られます。主な支給対象となる取り組みは以下の通りです。
労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
就業規則・労使協定等の作成・変更
人材確保に向けた取り組み
労務管理用ソフトウェア(勤怠管理システム含む)や機器の導入・更新
デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
支給対象となる事業主は、基本的に「労働者災害補償保険の適用事業主であること」が必須要件です。また、多くのコースで「全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること」も求められます。
さらに、本助成金では、上記の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上引き上げることを成果目標に加えることも可能です。賃上げと組み合わせることで、基本の上限額に加算額が上乗せされ、さらに手厚い助成を受けることができます。この加算額は、賃上げに取り組んだことに対するものであり、賃上げ額そのものではありません。
それでは、4つのコースそれぞれの詳細を見ていきましょう。
1. 勤務間インターバル導入コース
概要と目的
「勤務間インターバル導入コース」は、従業員の健康保持や過重労働の防止を図ることを目的とし、勤務終了後から次の勤務までの間に、一定時間以上の「休息時間」を設ける「勤務間インターバル制度」の導入・定着に取り組む中小企業事業主を支援する助成金です。長時間労働による健康被害や過労死が社会問題となる中で、2019年4月の「働き方改革関連法」施行以降、この制度の導入は企業の努力義務とされています。
このコースの大きな特徴は、「終業から始業までの休息時間確保」という一点にフォーカスしている点です。就業規則等で休息時間を定めるだけでなく、実際に従業員の休息時間が確実に確保されることが求められます。
こんな企業におすすめ
長時間労働が常態化し、従業員の健康確保が課題となっている企業
深夜勤務や交代制勤務が多く、労働者の休息時間が不十分になりがちな業種
「働き方改革関連法」に基づき、勤務間インターバル制度の導入を検討しているが、具体的な仕組みやコスト面で導入に踏み切れない中小企業
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休息時間確保に課題がある企業に【令和7年版】働き方改革推進支援助成金|勤務間インターバル導入コース
2. 労働時間短縮・年休促進支援コース
概要と目的
「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、「労働時間の短縮」や「年次有給休暇の取得促進」を主要な経営課題とする中小企業を支援するための助成金です。賃上げの要請も強まる中で、働きやすい職場づくりにかかるコストを抑えながら、働き方改革を推進することを目的としています。
特に、労働時間を正確に「見える化」することが、残業削減や年休取得促進といった全ての改革の土台となるため、勤怠管理システムの導入が費用対効果の高い一手として推奨されています。
こんな企業におすすめ
労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進に課題を感じている企業
働き方改革を進めたいが、環境整備にかかるコストが大きな負担となっている中小企業
管理業務の効率化と従業員のワークライフバランス改善を両立したい企業
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勤怠システム導入や設備投資に!【令和7年】働き方改革推進支援助成金|労働時間短縮・年休促進支援コース
3. 業種別課題対応コース
概要と目的
「業種別課題対応コース」は、特に長時間労働が構造的な課題となっている、建設業、運送業、病院等(医療・介護)、砂糖製造業、情報通信業、宿泊業の6業種に特化した支援コースです。これらの業種が抱える固有の課題解決を、他のコースより手厚い助成で強力に後押しします。
このコースの最大の特徴は、他の汎用コースに比べて助成上限額が大幅に高く設定されている点と、各業種に特化した独自の目標設定が用意されている点です。
こんな企業におすすめ
建設業、運送業、病院等、砂糖製造業、情報通信業、宿泊業のいずれかに該当する中小企業事業主
自社の業種が抱える構造的な長時間労働や人手不足の課題に対し、抜本的な対策を講じたい企業
設備投資を通じて現場の省力化や効率化を図り、生産性向上を目指したい企業
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運送・建設・病院等の長時間労働改善に【令和7年版】働き方改革推進支援助成金|業種別課題対応コース
4. 団体推進コース
概要と目的
「団体推進コース」は、その名の通り個別の企業ではなく、事業協同組合や商工会といった「事業主団体」を対象とし、その傘下にある複数の中小企業の働き方改革をまとめて支援することに特化したコースです。業界全体の労働条件改善や、共同での設備導入など、団体が主体となって取り組む事業を後押しします。
中小企業が抱える人手不足、生産性向上、従業員の定着といった課題に対し、団体が主体となって解決策を模索し、その成果を傘下の企業に波及させることを目指します。例えば、下請取引の適正化、業界全体の労働時間短縮や賃金引き上げ、共同での設備導入、好事例の収集・普及、合同セミナーの開催などが対象となります。
こんな企業におすすめ
業界や地域全体で共通する労働条件の改善を目指している事業主団体
複数の企業が連携して取り組むことで効果が高まる課題(例:共同での人材確保、新ビジネスモデル開発など)を抱えている団体
商工会や協同組合などが、傘下の複数企業のために一括して改善策を企画・実施し、全体の底上げを図りたい場合
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業界全体の生産性向上につながる取組を支援【令和7年版】働き方改革推進支援助成金|団体推進コース
【令和7年版】働き方改革推進支援助成金|最適なコースを見つけて健康経営を実現:まとめ
令和7年度の「働き方改革推進支援助成金」は、中小企業が直面する様々な課題に対応するための強力な支援策です。
「勤務間インターバル導入コース」は、従業員の休息時間確保と健康維持に特化し、過重労働の防止を目指します。
「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、労働時間の削減と年次有給休暇の取得促進を目的とし、勤怠管理システムの導入など幅広い取り組みを支援します。
「業種別課題対応コース」は、建設業や運送業、医療現場など、特定の業界が抱える構造的な課題に対し、より手厚い助成と専門的な目標設定を提供します。
「団体推進コース」は、個社では難しい業界全体や地域横断的な働き方改革を、団体が主導して実現するための唯一の支援策です。
どのコースも、労務管理体制の整備、勤怠管理システムの導入、人材確保に向けた取り組みなど、多岐にわたる費用をカバーすることが可能です。また、成果目標に加えて、従業員の賃金を引き上げることで助成上限額が加算されます。特に、常時使用する労働者数が30人以下の事業主の場合、この賃上げによる加算額が2倍になるという手厚い優遇措置が設けられており、小規模な企業ほど戦略的に活用すべき制度となっています。
従業員が心身ともに健康に働き続けられる環境を整備することは、企業の生産性向上、優秀な人材の確保と定着に直結します。令和7年度の申請期限は2025年11月28日までとなっています(予算がなくなり次第、期限前に予告なく受付を終了する可能性があるため早期の検討と申請を推奨)。
働き方改革推進支援助成金を単なる規制対応ではなく、企業の未来への戦略的投資と捉え、この機会を最大限に活用しましょう。
厚生労働省:労働時間等の設定の改善(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/index.html)を加工して作成
