勤怠システム導入や設備投資に!【令和7年】働き方改革推進支援助成金|労働時間短縮・年休促進支援コース

「労働時間の短縮」や「年次有給休暇の取得促進」は、多くの中小企業にとって重要な経営課題です。しかし、賃上げの要請も強まるなか、環境整備にかかるコストが大きな負担になっていませんか?
そんな企業の強い味方となるのが働き方改革推進支援助成金「労働時間短縮・年休促進支援コース」です。この制度を活用すれば、コストを抑えながら働きやすい職場づくりを一歩前に進められます。
この記事では、令和7年版「労働時間短縮・年休促進支援コース」に焦点を当て、対象となる取り組みから支給額までを具体的に解説します。
Contents
支給対象となる事業主
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)の支給対象は、次のいずれにも該当する中小企業事業主です。
- 労働者災害補償保険の適用事業主であること。
- 交付申請時点で、1から3の「成果目標」※達成に向けた条件を満たしていること。
- 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
※成果目標は、以下「成果目標の設定」にて
支給対象となる取組 以下のいずれか1つ以上実施
支給を受けるには、以下のいずれか1つ以上の取組を実施することが必要です。
- 労務管理担当者に対する研修
- 労働者に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)
- 人材確保に向けた取組
- 労務管理用ソフトウェア(勤怠管理システム含む)の導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
- テレワーク用通信機器の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)
※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
※長時間労働恒常化要件に該当する場合、「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新」の対象となる経費が一部緩和されます。
成果目標の設定
令和7年度の【働き方改革推進支援助成金】 の支給対象となるには、以下の「成果目標」1から3のうち1つ以上選択し、その達成を目指して実施してください。
【成果目標1】
全ての対象事業場において、令和7年度又は令和8年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと
【成果目標2】
全ての指定対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること
【成果目標3】
全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入すること。かつ、指定対象事業場において、『労働時間等設定改善指針(平成20年厚生労働省告示第108号)』2(2)に規定された、特に配慮を必要とする労働者について事業主が講ずべき措置として、特別休暇の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること。
上記の成果目標に加えて、指定対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額を引上げることを成果目標に加えることができます。
【働き方改革推進支援助成金】支給額
労働時間短縮・年休促進支援コースでは、取組の実施に要した経費の一部が成果目標の達成状況に応じて支給されます。
以下の1と2の、いずれか低い方の額となります。
1. 成果目標1から3の上限額、および賃金加算額の合計額
2. 対象経費の合計額×補助率3/4※
※常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5
成果目標1の上限額
| 事業実施前の設定時間数 | |||
| 事業実施後に設定する時間外労働時間数等 | 現に有効な36協定において、時間外労働と休日労働の合計時間数を月80時間を超えて設定している事業場 | 現に有効な36協定において、時間外労働と休日労働の合計時間数を月60時間を超えて設定している事業場 | |
| 時間外労働時間数等を月60時間以下に設定 | 150万円 | 50万円 | |
| 時間外労働時間数等を月60時間を超え、月80時間以下に設定 | 50万円 | – | |
成果目標2の上限額
成果目標2達成時の上限額:25万円
成果目標3の上限額
成果目標3達成時の上限額:25万円
賃金加算額
賃金額の引上げを成果目標に加えた場合の加算額は、指定した労働者の賃金引上げ数の合計に応じて、次の表のとおり、上記上限額に加算されます。
引き上げ人数は30人が上限となります。(賃上げ額そのものを助成するものではありません。)
■常時使用する労働者数が30人を超える中小企業事業主の場合
| 引き上げ人数 | 1~3人 | 4~6人 | 7~10人 | 11人~30人 |
| 3%以上引き上げ | 6万円 | 12万円 | 20万円 | 1人当たり2万円 (上限60万円) |
| 5%以上引き上げ | 24万円 | 48万円 | 80万円 | 1人当たり8万円 (上限240万円) |
| 7%以上引き上げ | 36万円 | 72万円 | 120万円 | 1人当たり12万円 (上限360万円) |
常時使用する労働者数が30人以下の中小企業事業主の場合
| 引き上げ人数 | 1~3人 | 4~6人 | 7~10人 | 11人~30人 |
| 3%以上引き上げ | 12万円 | 24万円 | 40万円 | 1人当たり4万円 (上限120万円) |
| 5%以上引き上げ | 48万円 | 96万円 | 160万円 | 1人当たり16万円 (上限480万円) |
| 7%以上引き上げ | 72万円 | 144万円 | 240万円 | 1人当たり24万円 (上限720万円) |
労働時間短縮・年休促進支援コース取組事例
広告業:営業管理・見積作成の自動化による作業時間の削減
課題
顧客からの要望等を個別にヒアリングしていたので、顧客対応や受注管理に時間を要していた。
実施
営業管理システムおよび自動見積りシステムの導入。
結果
顧客には定型的なヒアリング項目に則して要望を回答してもらうようにしたことで、これまでヒアリングしていた内容を自動で回収できるようになった。
作業時間が約44%削減されたことに加えて、システム経由で新規の問い合わせが月2〜3件入るようになり、営業機会の拡大につながっている。
見積り書の発行も、作業時間が約 42%削減され、1日あたりの時間外労働が平均1時間程度減少し、休暇も取得しやすくなり、営業利益が約5%向上した。
道路貨物運送業:勤怠管理・集計作業の効率化
課題
手書きでの勤怠入力によるミスが散見され、社員の出勤状況の正確な把握が困難であったと同時に、集計・分析作業にも労力を割いていた。そこで、勤怠状況の「見える化」、集計作業の簡略化をして、作業効率を向上させたいと考えた。
実施
業務効率化を検討する中で、助成金を活用して、労務管理用のICカードリーダーやソフトウェアを導入した。
結果
勤怠情報の記載漏れや記載ミスが無くなってリアルタイムに把握できるようになり、従業員の体調のケアが適切なタイミングで可能となった。
勤怠管理担当者の集計作業時間が月に2~3時間程度削減され、即座に完了するようになった。
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なお、建設業・運送業・病院等・砂糖製造業・情報通信業・宿泊業のいずれかに該当する中小企業事業主であれば、業種別課題対応コースがお勧めです。支給対象となる取組も、一部変わりますが、ほぼ同じでありながら、これらの業種に特化した支援内容となっています。
参照記事:運送・建設・病院等の長時間労働改善に【令和7年版】働き方改革推進支援助成金|業種別課題対応コース
勤怠システム導入や設備投資に!【令和7年】働き方改革推進支援助成金|労働時間短縮・年休促進支援コース):まとめ
「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、設備投資からシステムの導入まで、幅広い取り組みが支給対象となる、コストの悩みを解決する強力な一手です。
もし「何から手をつけるべきか」と迷っているなら、まず勤怠管理システムの導入を検討してみてください。なぜなら、労働時間を正確に見える化することが、残業削減や年休取得促進といった全ての改革の土台となるからです。業種を問わず導入でき、管理業務の効率化という直接的な効果も期待できるため、費用対効果が非常に高い一手と言えます。
申請期限は令和7年11月末です。この絶好の機会を活かし、企業の生産性向上と従業員満足度向上を実現しましょう。
厚生労働省:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html)を加工して作成
