【小学校休業等対応助成金】有給休暇で従業員をサポート

新型コロナウイルスオミクロン株に感染する子どもが急増しています。第5波では感染者に20〜30代が比較的多かったのが、今回の第6波ではその主体が10代へと移り、小学校の休校が相次ぎました。
小学校休業等対応助成金は、小学校等の臨時休業等に伴い、子どもの世話を行うため仕事を休まざるを得ない保護者に有給の休暇を取得させた企業や事業主に対して、休暇中に支払った賃金相当額を支給する制度。子どもを持つ従業員のためにぜひ活用したい助成金です。
この記事では、小学校休業等対応助成金について詳しく紹介していきます。
Contents
【小学校休業等対応助成金】法定の有給休暇を除いた有給休暇を付与
2020年感染拡大の際、休校の影響で小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇を取得させた企業・事業主に対する小学校休業等対応助成金が創設されました。
全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対し、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられていますが、今回の助成金の対象は、この法定の年次有給休暇※1を除いた有給休暇となります。
※法定の年次有給休暇については、年次有給休暇の付与や基本ルールをわかりやすくを参照
今回は、令和3年8月1日から令和4年3月31日までの間に、子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた企業・事業主が小学校休業等対応助成金の対象となります。
【小学校休業等対応助成金】助成額と申請期限
小学校休業等対応助成金の助成額は以下となります。
有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10
対象労働者1人につき、対象労働者の日額換算賃金額×有給休暇の日数で算出した合計額を支給します。
| 休暇取得期間 | 日額上限額 | 申請期限 |
| 令和3年11月1日~12月31日 | 13,500円 | 令和4年2月28日(月) |
| 令和4年1月1日~3月31日 | 令和4年1~2月:11,000円 令和4年3月:9,000円 | 令和4年5月31日(火) |
日額上限額は、申請の対象期間中に緊急事態宣言の対象区域、又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域(原則都道府県単位)に事業所のある企業については15,000円となります。
申請期限は、申請した日の最初の日から最後の日までの間(申請対象の労働者が複数いる場合は、休暇の開始が最も早い労働者の開始日から、終了が最も遅い労働者の終了日までの間)を指します。
【小学校休業等対応助成金】対象となる子ども・保護者・休暇の範囲
1.新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども
「臨時休業等」とは
新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校などが臨時休業した場合、自治体や放課後児童クラブ、保育所などから利用を控えるよう依頼があった場合が小学校休業等対応助成金の対象となります。なお、保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外です。
※ただし、学校長が新型コロナウイルスに関連して出席しなくてもよいと認めた場合は対象となります。
※小学校等全体の休業のみでなく、学年・学級単位の休業や、オンライン授業、分散登校の場合も対象になります。
「小学校等」とは
- 小学校、義務教育学校の前期課程、各種学校(幼稚園または小学校の課程に類する課程を置くものに限る)、特別支援学校(全ての部)
※障害のある子どもについては、中学校、義務教育学校の後期課程、高等学校、各種学校(高等学校までの課程に類する課程)なども含まれます。
- 放課後児童クラブ、放課後等デイサービス
- 幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、子どもの一時的な預かりなどを行う事業、障害児の通所支援を行う施設など
2.新型コロナウイルスに感染し、小学校等を休む必要がある子ども
- 新型コロナウイルスに感染した子ども
- 新型コロナウィルスに感染したおそれのある子ども(発熱などの風邪症状、濃厚接触者)
- 医療的ケアが日常的に必要な子ども、または新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクの高い基礎疾患などを有する子ども
※ 学校の場合は、学校長が出席を停止し、または出席しなくてもよいと認めた場合をいいます。
3.対象となる保護者
親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母など)であって、子どもを現に監護する者が対象となります。各事業主が有給休暇の対象とする場合は、子どもの世話を一時的に補助する親族も含みます。
※ 業種・職種を問わず、事業主に雇用される労働者が対象となります。
4.対象となる有給の休暇の範囲
日曜日、夏休みなどに取得した休暇の扱い
1.の「新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども」に関する休暇の対象は以下のとおりです。
- 学校:授業日 ※日曜日や夏休み(夏休み期間が再設定された場合は、再設定後のもの)などは対象外
- その他の施設(放課後児童クラブなど):本来施設が利用可能な日
2.の「新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校等を休む必要がある子ども」に関する休暇の対象は以下のとおりです。
- 授業日であるかにかかわらず、その子どもの世話をするために休暇を取得した日
半日単位の休暇、時間単位の休暇の扱い
対象となります。
なお、勤務時間短縮は所定労働時間自体の短縮措置であり、休暇とは異なるため対象外となります。
就業規則などにおける規定の有無
休暇制度について就業規則や社内規定の整備を行うことが望ましいですが、就業規則などが整備されていない場合でも、要件に該当する休暇を付与した場合は対象となります。
年次有給休暇や欠勤、勤務時間短縮を、事後的に特別休暇に振り替えた場合の扱い
対象になります。ただし、事後的に特別休暇に振り替えることについて労働者本人に説明し、同意を得ることが必要です。
労働者に対して支払う賃金の額
年次有給休暇を取得した場合に支払う賃金の額を支払うことが必要です。
助成金の支給上限額を超える場合であっても、全額を支払う必要があります。
【小学校休業等対応助成金】対象となる企業・事業主の要件
- 雇用する労働者の申出により、令和3年8月1日から令和4年3月31日までの間に、以下に該当する有給休暇を取得させたこと。
- 新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども※の世話を保護者として行うための有給休暇
- 新型コロナウイルス感染症に感染した又は風邪症状など感染したおそれのある、小学校等に通う子ども※の世話を保護者として行うための有給休暇
※上記、対象となる子ども・保護者・休暇の範囲を参照
- 1.の有給休暇は、労働基準法第39条に定める年次有給休暇とは別のものであること。
- 1.の有給休暇は、年次有給休暇の場合と同等の賃金が支払われるものであること。
- 1.の有給休暇を取得した労働者が、申請日時点において1日以上は勤務したことのある労働者であること。
その他の要件
- 雇用保険適用事業所の事業主であること(対象労働者が被保険者でない場合であって事業主が雇用保険適用事業主ではない場合は、労働者災害補償保険適用事業所の事業主であること。)
- 支給のための審査に協力すること
・支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること(支給決定から5年間)
・支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、都道府県労働局から求められた場合に応じること
・都道府県労働局等の実地調査を受け入れることなど - 申請期間内に申請を行うこと
- 同一労働者の令和3年8月1日から9月30日までの休暇取得期間について、両立支援等助成金 育児休業等支援コース(新型コロナウイルス感染症対応特例)を受給していないこと(ただし、返還又は申請の撤回の申出をした場合を除く)
【小学校休業等対応助成金】手続き
小学校休業等対応助成金の申請には、以下のすべての書類の添付が必要となります。
必要書類
- 支給申請書:様式第1号①
- 支給申請書:様式第1号②
- 有給休暇取得確認書:様式第2号
- 対象労働者が有給休暇を取得したことを確認できるものとして(対象労働者ごとの)休暇取得が分かる出勤簿、タイムカード、休暇簿の写し等
- 対象労働者が有給休暇を取得したことを確認できるものとして(対象労働者ごとの)有給休暇を取得した月の賃金台帳、給与明細の写し
- 対象労働者の所定労働日・時間、通常の賃金額が確認できるものとして(対象労働者ごとの)雇用契約書、労働条件通知書、勤務シフト表、就業規則(就業時間、休日部分)等の写し
- 雇用保険適用事業主以外は労災保険に加入している証明として、労働保険関係成立届の事業主控、概算保険料申告書等
- 小学校休業による休暇取得の場合は、小学校休業による休対象労働者の子にかかる小学校等からの臨時休業等のお知らせ(ない場合は様式第2号有給休暇取得確認書に臨時休業等期間を記入)
支給申請書

支給申請様式のダウンロードは、新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金についての、5.申請手続きの詳しいご案内より。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html
休暇取得期間によって申請様式が異なります。
小学校休業等対応助成金の支給申請様式に注意
例えば令和3年12月15日から令和4年1月20日を申請したい場合は、
- 令和3年12月15日~31日の分⇒「「対象期間:令和3年11月1日~同年12月31日」の様式
- 令和4年1月1日~20日の分⇒「対象期間:令和4年1月1日~同年2月28日」の様式
をそれぞれ作成します。(まとめて一枚で申請することはできません。)
【小学校休業等対応助成金】提出先
申請する企業・事業主の本社等(人事労務管理機能を有する事業所)の所在地を管轄する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に郵送します。
【小学校休業等対応助成金】有給休暇で従業員をサポート:まとめ
小学校休業等対応助成金は、小学校等の臨時休業等に伴い、子どもの世話を行うため仕事を休まざるを得ない保護者に有給の休暇を取得させた企業や事業主に対して、休暇中に支払った賃金相当額を支給する制度であり、従業員とその家族のためにぜひ活用したい助成金です。
学校は単に授業により知識を学ぶだけなく、集団活動を行い多様な他者と関わることで人を育てる営みであり、それが奪われている現在は、経済面と同時に子どもたちへの充分なケアが必要です。企業や事業主には、小学校休業等対応助成金などを積極的に活用し、従業員とその家族をサポートする役割が求められています。
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について (https://www.mhlw.go.jp/content/000870927.pdf)
小学校休業等対応助成金のご案内
(https://www.mhlw.go.jp/content/000839471.pdf)を加工して作成
