【2025年問題】建設業の現状と課題

2025年問題とは、団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、働き手不足や社会保障費が増大することを指します。中でも建設業界は人手不足が深刻化しており、これが建築費の高騰を引き起こし、大きな影響を及ぼしています。この記事では、間近に迫った2025年問題を、建設業にフォーカスして紹介します。
Contents
建設業の2025年問題とは
建設業における2025年問題とは、従業員の高齢化により2025年に大量の退職者が出ることで、今以上に人手不足が深刻化していくと予測されていることを指します。総務省統計局が発表した建設業の労働力調査(2022年)によると、40歳未満が全体の約26%に対し、41歳以上が約74%、その内65歳以上は約17%を占めています。
2025年4月から高齢者雇用安定法により、全ての企業で定年が延長されますが、それでも65歳になれば定年で退職しなければなりません。
2025年問題に加え、2024年4月1日より時間外労働時間に罰則付きで上限が設けられる、働き方改革関連法が施行されます。そのため2025年以降、建設業者が人手不足による廃業に追い込まれる可能性があるとも言われています。
建設業就業者の高齢化の進行
年齢階層別の建設技能者数
60歳以上の技能者は全体の約4分の1を占めており、10年後にはその大半が引退することが見込まれています。これからの建設業を支える29歳以下の割合は全体の約12%程度。若年入職者の確保・育成が喫緊の課題であり、担い手の処遇改善、働き方改革、生産性向上を一体として進めることが求められています。

建設業の2025年問題が及ぼす影響
建築コストの高騰
また、2021年後半から原材料費の高騰やエネルギーコストの上昇等により、各建設資材価格が大きく上がっています。

人件費の高騰
人手不足で、一人当たりの労働量が増え、賃金上昇の原因となっています。また、技術者不足により、建築プロジェクトの品質や安全性を確保するためのコストも増加。そのため建築費の高騰を引き起こし、新築物件の価格を押し上げる一因となっています。
建設業(職別工事業)の一日当たりの賃金の推移

建設業の2025年問題対策
人材育成と教育
新たな人材を育成し、現場でのスキルを継承するための教育プログラムを強化します。また、若者が建設業界に興味を持つようなキャリア教育も重要です。
働き方改革
原価管理、発注管理、工程管理などの業務自体をITツールで効率化したり、勤怠管理システムの導入で労働時間をしっかり管理し、効率よく人材を配置します。
柔軟な働き方により労働環境を改善し、新たな人材を引きつけることが必要です。
高齢者の活用
2025年以降、企業は65歳までの労働者の雇用を確保しなければなりません。そのため、高齢者が働きやすい環境を整備し、その経験とスキルを活用することも重要です。
【2025年問題】建設業の現状と課題:まとめ
建設業界は2025年問題に直面し、人口減少と高齢化が進む中、人手不足が深刻化しています。
高齢化により技能者の大量退職が予測され、これが建築費の高騰を招き、新築物件の価格上昇につながっています。若年入職者の確保と育成が急務であり、労働時間管理やDXの導入、高齢者の活用など、包括的な対策が必要です。
危機に直面している建設業界において、イノベーションと協力が不可欠です。新たな技術の導入や業界内の連携強化により、人手不足という課題を克服し、持続可能な発展を実現する道が開けるでしょう。
国土交通省:建設業を巡る現状と課題
(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001610913.pdf)を加工して作成
