従業員が副業・兼業している場合、労災保険はどうなりますか?

従業員が副業・兼業している場合、労災保険給付額の算定はどうなるか、また業務の過重性の評価、通勤災害についてもどうなるのか気になります。

1.労災保険給付額の算定は?

副業・兼業をする労働者への労災保険給付額については、労働災害が発生した就業先の賃金分のみに基づき算定されます。

2.業務の過重性の評価に当たって労働時間は合算される?

労災保険法は、個別事業場ごとの業務に着目し、その業務に内在する危険性が現実化して労働災害が発生した場合に、保険給付を行うこととしていることから、副業・兼業している場合であっても、それぞれの就業先における労働時間は合算せず、個々の事業場ごとに業務の過重性が評価されます。

なお、1.2.の取扱いは、形式的に事業場が別であるかではなく、実態に基づき判断することとしています。例えば、企業活動そのものが社会的にみて単一的に評価しうる場合など、二つの会社が実質的に同一の事業体であると評価できるような事情がある場合には、一つの事業場における判断と同様に取り扱いになります。

3.勤務終了後、副業先の会社へ向かう途中に災害に遭った場合、通勤災害に該当するのか?

2つの就業先で働く労働者が、1つ目の就業の場所で勤務を終え、2つ目の就業の場所へ向かう途中に災害に遭った場合、通勤災害となります。この場合、副業先の会社が労災保険を使用して、従業員に保険給付を行います。

厚生労働省:「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&Aを一部加工して作成