【過重労働解消キャンペーン】過重労働の実態が明らかに

2021年7月、厚生労働省は、脳血管疾患・心疾患による過労死の労災認定基準を、およそ20年ぶりに改定することを公表しました。 過労死とは、業務における過重な負荷による脳・心臓疾患や、業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする死亡やこれらの疾患を指します。

2019年から本格的に働き方改革がスタートし、2020年はコロナ禍の影響で全体的に労働時間が大幅に減少した※ことがわかっていますが、実際には過重労働や過労死が少なくないということが「過重労働解消キャンペーン」 における重点監督の実施結果により明らかになりました。この記事では「過重労働解消キャンペーン」の実施結果を紹介します。

※厚生労働省「毎月勤労統計調査」より

「過重労働解消キャンペーン」重点監督の実施結果

厚生労働省が2020年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の「使い捨て」が疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる る 9,120 事業場に対して集中的に実施したものです。
その結果、未だに驚くほど、多くの法令違反がみとめられました。

監督指導実施状況

6,553事業場(全体の71.9%)で労働基準関係法令違反が認められました。
主な法違反としては、違法な時間外労働があったものが2,807事業場、賃金不払残業があったものが478事業場、過重労働による健康障害防止措置が未実施のものが1,829事業場ありました。

主な健康障害防止に関する指導状況

監督指導を実施した事業場のうち、3,046事業場に対して、長時間労働を行った労働者に対する医師による面接指導等の過重労働による健康障害防止措置を講じるよう指導がありました。

また、監督指導を実施した事業場のうち、1,528事業場に対して、労働時間の把握が不適正であるため、厚生労働省で定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(労働時間適正把握ガイドライン)に適合するよう指導がありました。

監督指導により把握した実態

時間外・休日労働時間が最長の者の実績

監督指導を実施した結果、違法な時間外労働があった2,807事業場において、時間外・休日労働が最長の者を確認したところ、640事業場で1か月80時間を、うち341事業場で1か月100時間を、うち59事業場で1か月150時間を、うち10事業場で1か月200時間を超えていたとのこと。

労働時間の管理方法

監督指導を実施した事業場において、労働時間の管理方法を確認したところ、833事業場で使用者が自ら現認することにより確認し、3,573事業場でタイムカードを基礎に確認し、1,772事業場でICカード、IDカードを基礎に確認し、2,395事業場で自己申告制により確認し、始業・終業時刻等を記録していたとのことです。

過重労働解消キャンペーン:まとめ

主な健康障害防止に関する指導の状況では、労働時間の把握方法が不適正なため指導された企業が1,528事業場もあり、労働時間の管理がされていない企業に問題が多いようです。

これまで過重労働による健康被害や過労死が大きく報道され、働き方改革が叫ばれてきたにも関わらず、多くの事業場で重大な健康障害につながりかねない過重労働が行われているということがわかりました。勤怠管理の重要性を理解していなかったり、従業員の健康を守るという意識が低いケースもあります。

適正な勤怠管理を怠ることより、いつの間にかブラック企業の仲間入りをしてしまう可能性があります。勤怠管理システムなどを利用して残業時間をしっかり管理することで過重労働を防ぎ、働き方改革を進めていきましょう。

厚生労働省:「令和2年度 11 月「過重労働解消キャンペーン」 の重点監督の実施結果を公表」(https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000775261.pdf”)を加工して作成