【労働時間適正管理推進コース】労務管理システム化のきっかけに

この記事は、2021年6月時点の内容です。
令和2年4月1日から、労働基準法が改正され、賃金台帳等の労務管理書類の保存期間が5年に延長されました。経過措置として当面の間は3年の保存期間が延長されますが、今後「5年保存義務」へ移行予定です。これらの適正な労務管理に向けた環境整備に取り組む中小企業を支援するため「働き方改革推進支援助成金」労働時間適正管理推進コースが設けられました。
この記事では、労働時間適正管理推進コースについて紹介します。
Contents
労働時間適正管理推進コースの助成内容
対象事業主
以下のいずれにも該当する事業主が対象となります。
- 労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主(※1)であること。
- 36協定を締結していること。
- 年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
- 勤怠管理と賃金計算等をリンクさせ、賃金台帳等を作成・管理・保存できるような統合管理ITシステムを用いた労働時間管理方法を採用していないこと。
- 賃金台帳等の労務管理書類について5年間保存することが就業規則等に規定されていないこと。
中小企業事業主とは、以下の資本または出資額、または以下の常時使用する労働者の要件を満たす企業を指します。
| 業種 | 資本または出資額 | 常時雇用する労働者 |
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
支給対象となる取り組み
支給には、以下のいずれか1つ以上を実施する必要があります。
- 労務管理担当者に対する研修※2
- 労働者に対する研修※2、周知・啓発
- 外部専門家によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 人材確保に向けた取り組み
- 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新※3
- 労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新※3
(※2) 研修には、業務研修も含みます。
(※3)原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
対象事業主 成果目標
支給には、以下の全ての目標達成を目指して実施する必要があります。
- 新たに勤怠(労働時間)管理と賃金計算等をリンクさせ、賃金台帳等を作成・管理・保存できるような統合管理ITシステムを用いた労働時間管理方法を採用すること。
統合管理ITシステムは、ネットワーク型タイムレコーダー等出退勤時刻を自動的にシステム上に反映させ、かつ、データ管理できるものとし、当該システムを用いて賃金計算や賃金台帳の作成・管理・保存が行えるものであること。 - 新たに 賃金台帳等の労務管理書類について5年間保存することを就業規則等に規定すること。
- 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に係る研修を労働者及び労務管理担当者に対して実施すること
また、上記の成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上または、5%以上で賃金引き上げを行うことを成果目標に加えることができます。
事業実施期間
事業実施期間中(交付決定の日から2022年1月31日(月)まで)に取組を実施します。
支給額
上記「成果目標」の達成状況に応じて、支給対象となる取り組みの実施に要した経費の一部が支給されます。
以下の2項目で、いずれか低い額
- 以下①の上限額および②の加算額の合計額
- 対象経費の合計額×補助率3/4※5
(※5) 常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取り組みで⑥から⑦を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5
①成果目標達成時の上限額:50万円
②賃金引き上げの達成時の加算額
| 引き上げ人数 | 1~3人 | 4~6人 | 7~10人 | 11人~30人 |
| 3%以上 引き上げ | 15万円 | 30万円 | 50万円 | 01人当たり5万円 (上限150万円) |
| 5%以上 引き上げ | 24万円 | 48万円 | 80万円 | 1人当たり8万円 (上限240万円) |
利用の流れ
- 「交付申請書」を事業実施計画書などの必要書類とともに、最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出(締切は11月30日火曜日)
- 交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施(令和4年1月31日月曜日まで)
- 労働局に支給申請(締切は2月10日木曜日)
【労働時間適正管理推進コース】労務管理システム化のきっかけに:まとめ
労働時間の適正管理のための環境整備に取り組むことは、業務改善の一環となり生産性の向上にもつながります。労務管理をアナログで行っているという中小企業は、労務管理のシステム化に踏み切るきっかけとなります。助成金を活用し、労務管理のシステム化を進めましょう。
