【育児・介護休業法】育児・介護離職を防ごう

子育て

高齢者が増え若い世代が減る中、仕事と育児や介護を両立するのは容易なことではなく、仕事を辞めざるをえない労働者は少なくありません。優秀な従業員が子育てや介護のために退職することは、企業にとって大きな損失です。
そこで国は育児介護休業法の改正を段階的に施行し、対策を打ち出しています。この記事では、育児介護休業法の概要を紹介します。

育児・介護休業法

2022年の日本人出生数は約77万人、過去最少となりました。少子化の急速な進行は、労働力人口の減少、地域社会の活力低下など、社会経済に深刻な影響を与えます。一方で子どもを生み育て、家庭生活を豊かにしたいと願う人々が多いにもかかわらず、こうした希望が実現しにくい状況がみられます。

さらに、高齢者人口の増加とともに、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数は増加しておりその傾向は続くことが見込まれます。介護者は働き盛りの世代で、企業の中核を担う人材である場合が多く、企業において管理職として活躍する方や職責の重い仕事に従事する方も少なくありません。
少子高齢化対策として、労働者が育児や介護をしながらでも働き続けることができるように、企業が職場の環境を整えていく必要があり、そのために育児・介護休業法が制定されました。

育児・介護休業法には、代表的なものに「育児休業制度」「産後パパ育休制度」「子の看護休暇制度」「介護休業制度」「介護休暇制度」が定められています。

1. 育児休業制度

育児・休業制度では、子どもが1歳に達するまでの育児休業の権利が保障されます。(保育所に入所できないなど、一定の場合は最長2歳)。
父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2ヵ月に達するまでの1年間、育児休業が取得できる「パパ・ママ育休プラス」の特例を適用できます。

また、パートタイマーなどの名称で働いていたり、1日の労働時間が通常より短い方であっても、期間の定めのない労働契約によって働いている場合は、育児休業をすることができます。

混同しがちな「育児休業」と「育児休暇」の違いですが、育児休業は育児介護休業法により定められており、権利保障や給付制度などがありますが、育児休暇は企業が独自に定める制度なので、権利や給付については、それぞれの企業が決めるものとなります。

なお、育児休業制度は休業中の就業は原則認められていません。

2. 産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)

産後パパ育休は、出生時育児休業の通称で、1歳までの育児休業とは別に取得することができます。
産後8週間以内に4週間(28日)を限度として2回に分けて取得します。男性の育児休業取得促進のため、取得ニーズが高い子の出生直後の時期(子の出生後8週間以内)に、これまでよりも柔軟で取得しやすい休業として設けられました。

また有期雇用契約労働者の場合は、申出時点において、子の出生日又は出産予定日のいずれか遅い方から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでない場合は産後パパ育休をすることができます。

産後パパ育休の場合は、企業と従業員との間で合意した範囲内であれば休業中でも勤務できます。 ただし、休業中の勤務は所定労働日・所定労働時間の半分までに抑えなければなりません。

3. 子の看護休暇制度

子の看護休暇とは、子どもが病気やけがの際に休暇を取得しやすくし、子育てをしながら働き続けることができるようにするための休暇であり、年次有給休暇とは別に与える必要があります。

小学校就学前の子を養育する労働者は、事業主に申し出ることにより、1年度において5日 (小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合は10日) を 限度として、子の看護休暇を取得することができます。

子の看護休暇は、1日単位又は半日単位(1日の所定労働時間の2分の1。労使協定によりこ れと異なる時間数を半日と定めた場合には、その半日。)で取得することができます。

4. 介護休業制度

介護休業制度は、従業員が仕事を辞めることなく、要介護状態にある対象家族を介護するための制度です。勤務先に制度がなくても育児・介護休業法に基づいて利用できます(短時間勤務等の措置を除く)。
要介護状態とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫となります。

介護休業の日数は、対象家族1人につき93日、この日数を最大で3回に分割して取得できます。93日の数え方としては、介護休業をしている期間の土日・祝日といった休日も含めてカウントします。

5. 介護休暇制度

介護休暇制度は、労働者が要介護状態にある対象家族の介護や世話をするための制度です。
要介護状態とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。対象家族は、配偶者 (事実婚を含む) 、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫となります。

要介護状態にある家族の介護や世話のための休暇を取得しやすくし、介護をしながら働き続けることができるようにするための権利として介護休暇が位置づけられています。介護を伴う休暇の申請には、有給休暇ではなく介護休暇として対応します。

取得単位は1日または時間単位。対象家族が1人の場合は年5日まで、対象家族が2人以上の場合は年10日まで取得できます。

【育児・介護休業法】育児・介護離職を防ごう:まとめ

優秀な従業員が子育てや家族の介護のために退職することは、企業にとって大きな損失であるため、それぞれに適した育児・介護休業法の制度を利用して離職を防ぐことが必要です。
従業員の仕事と家庭の両立支援に取り組む企業には、様々な助成金が用意されています。こういった助成金を利用し、従業員の育児・介護をサポートすることで、従業員が安心して働ける環境を整えていきましょう。

厚生労働省:育児介護休業法(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103504.html)を加工して作成