【IT人材不足を解消】クラウドソーシングの活用ガイド

日本ではIT人材の不足が深刻化する「2025年の崖問題」に直面しています。
特に中小企業では優秀な技術者を獲得することが難しいため、迅速にIT人材不足を解消するためには、クラウドソーシングの活用も選択肢のひとつです。リモートワークの推進や副業解禁によりクラウドソーシングの需要が拡大し、技術力の高いワーカーも増えています。
この記事では、IT人材不足の現状や、クラウドソーシングの活用方法、またメリット・デメリットについて紹介します。
Contents
IT人材不足の現状
経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」によると、2030年にはデジタルサービスの需要次第で約79万人にまでIT人材不足が拡大するとされています。
IT人材需給に関する主な試算結果の対比

出典:経済産業省 IT人材需給に関する調査 (https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)
日本では、IT人材がIT関連企業に従事する割合が高く、特に東京のIT関連企業への集中が顕著です。これにより、地域のデジタル化を推進するIT人材の不足が課題となっています。
IT人材が従事する企業の偏在状況

出典:経済産業省 我が国におけるIT人材の動向(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/001_s01_00.pdf)
また、AIやデータサイエンス等に関する高いスキルを持つIT人材採用の際に、高額の報酬水準を提示する例が増えています。これにより、優秀なIT人材の新卒・中途採用を行う際に、通常よりも高い報酬水準を設定する例がみられるようになっています。
これらの要因により、中小企業を含む多くの企業が適切なIT人材を採用することが困難になっています。そこで、IT人材不足の解消にクラウドソーシングの活用が注目されるようになりました。
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、インターネット上で不特定の人に向かって業務内容と報酬を提示し、仕事を発注する手法です。
企業はクラウドソーシングプラットフォームを利用して、日本中のフリーランサーや専門家と協力し、さまざまなプロジェクトを実行することができます。この仕組みにより、必要なスキルやリソースを短期間で獲得し、業務の効率化や成果の向上を図ることができます。
日本では2000年前後からクラウドソーシングの利用が本格化しましたが、フリーランスが中心のクラウドソーシングは専門会社へのアウトソーシングと比較して、技術や品質が劣るというイメージがあるかもしれません。
しかし、コロナ禍におけるリモートワークの拡大、副業解禁などがクラウドソーシングの需要を高めたことで、フリーランスでも技術力が高く品質の良い成果物を提供できるワーカーが増えています。
クラウドソーシングの利用方法
クラウドソーシングは、発注者がクラウドソーシングプラットフォームを通じて受注者に業務を依頼します。発注者はまず依頼したい仕事の内容と報酬などの条件を公開し、それを受注したいと応募してくる候補者の中から受注者を選定し、発注するという流れになります。仕事が完了した後に成果物を検収し、報酬を支払います。
クラウドソーシングの種類
クラウドソーシングには、総合型クラウドソーシングと、ジャンル特化型クラウドソーシングがあります。IT人材の場合は、特定の分野に特化した案件や人材が揃っているジャンル特化型クラウドソーシングが良いでしょう。
ITエンジニア以外にも、デザイン、マーケティングなどIT系の仕事を依頼することができますし、プロジェクト形式、コンペ形式、タスク形式などサービスによって依頼方法が複数あります。
特化型のクラウドソーシングサービスであれば、レベルの高い技能を持った受注者が集まりやすいです。
クオリティの高い成果物を求める場合は、報酬金額は上がりますがハイクラスなクラウドソーシングもありますので、利用を検討すると良いでしょう。
クラウドソーシングのメリット
クラウドソーシングを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
迅速な人材の獲得
クラウドソーシングを活用することによって、専門性を持った人材を探しやすく、業務遂行にかける時間を短縮できます。
柔軟な人材活用
事業規模が大きいほど、必要な人材が増え指示系統が複雑になり、業務効率が落ちる可能性があります。クラウドソーシングの活用により、プロジェクトごとに必要な人材を柔軟に選択し、不足しているリソースを補うことができます。
コスト削減
IT人材を雇用した場合、給料・社会保険料・福利厚生など、多くのコストが発生します。クラウドソーシングなら必要なときに必要な量の仕事を依頼できるため、人材にかかるコストの抑制や削減につながります。
クラウドソーシングのデメリットと解決策
一方で、クラウドソーシングには以下のようなデメリットも存在します。
人材の選定に注意が必要
従業員の雇用でも同じですが、充分なスキルを持っているか、納期を守れるか、スムーズにコミュニケーションが取れるかなど、実際の仕事ぶりを見ないとわからないこともあります。
解決策
評価や実績をチェックするのはもちろん、依頼の要件を明確にしましょう。いきなり大規模案件を依頼するのではなく、何かあってもリカバリーできるような案件から依頼してみる方法もあります。
社内人材育成の機会損失
クラウドソーシングばかりを活用していると、結果としてノウハウを蓄積できず、自社の人材育成の機会が失われる可能性があります。
解決策
クラウドソーシングを利用する場合は、将来的な自社の人材育成も視野に、労働環境の改善や適切な人事労務を行うことで企業の魅力を高め、IT人材を確保する努力も同時に行っていきましょう。
ノウハウ・情報の流出
依頼する場合に、自社の技術やノウハウを開示する必要があり、情報流出の懸念があります。
解決策
開示内容を慎重に検討しましょう。セキュリティポリシーを明確化し、NDA(秘密保持契約)を結ぶことで、ワーカーにも意識をしてもらうことが必要です。
【【IT人材不足を解消】クラウドソーシングの活用ガイド:まとめ
在宅ワークの広がりや副業解禁により、現在ではフリーランスでも品質の高い成果物を提供できるワーカーが増えています。クラウドソーシングをうまく活用することで、中小企業は即座に必要なIT人材を獲得し、競争力を高めることが可能です。
品質管理やコミュニケーション手段の工夫、セキュリティ対策の徹底など、注意すべき点はありますが、適切な対策を講じることで、クラウドソーシングの利点を最大限に活かすことができます。IT人材不足で悩んでいる中小企業は、クラウドソーシングの力を借りることも選択肢のひとつになるでしょう。
