令和6年度【勤務間インターバル助成金】最大120万円+賃金引上げで最大480万円の加算あり

勤務間インターバル助成金で労務管理を効率化!

勤務間インターバル制度とは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設けることで、労働者の生活や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図る制度です。
この制度の導入に取り組む中小企業を支援するため、勤務間インターバル助成金(働き方改革推進支援助成金勤務間インターバル導入コース)が設けられています。
この記事では、令和6年度の勤務間インターバル助成金の内容と活用事例を紹介します。

勤務間インターバル制度について

制度導入がもたらすメリット

従業員の健康の維持・向上

インターバル時間が短くなるにつれてストレス反応が高くなるほか、起床時疲労感が残ることが研究結果から明らかになっています。十分なインターバル時間の確保が、従業員の健康の維持・向上につながります。

従業員の定着や確保

労働力人口が減少するなか人材の確保・定着は、重要な経営課題になっています。十分なインターバル時間の確保により、ワーク・ライフ・バランスの充実を図ることは、職場環境の改善等の魅力ある職場づくりの実現につながり、人材の確保・定着、さらには、離職者の減少も期待されます。

生産性の向上

十分なインターバル時間の確保は、仕事に集中する時間とプライベートに集中する時間のメリハリをつけることができるようになります。このため、仕事への集中度が高まり、製品・サービスの品質水準が向上するのみならず、生産性の向上にも期待できます。

助成内容

本助成金でいう「勤務間インターバル」とは、就業規則等において、休息時間数を問わず「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」を指します。このほか、ある時刻以降の残業を禁止し、次の始業事項以前の勤務を認めないこととする等によりインターバル時間を確保する方法も考えられます。
このように、一定のインターバル時間を確保することで、従業員が十分な生活時間や睡眠時間を確保でき、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働き続けることができます。

対象事業主

勤務間インターバル助成金の支給対象は、以下のいずれにも該当する中小企業事業主です。

  1. 労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主であること。
  2. 36協定を締結しており、原則として、過去2年間において月45時間を超える時間外労働の実態があること。
  3. 年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
  4. 以下のいずれかに該当する事業場を有すること。

    ① 勤務間インターバルを導入していない事業場
    ② 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
    ③ 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場

支給対象となる取組

以下の、いずれか1つ以上の取組を実施することが必要です。

  1. 労務管理担当者に対する研修
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新
  7. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

成果目標

支給対象となる取り組みは、「事業主が事業実施計画において指定したすべての事業場において、休息時間数が「9時間以上11時間未満」または「11時間以上」の勤務間インターバルを導入し、定着を図る」という成果目標の達成を目指して実施します。

具体的には、事業実施計画において指定した各事業場において、以下のいずれかに取り組みます。

新規導入【上記 対象事業主4.①に該当する場合】

勤務間インターバルを導入していない事業場において、労働者の半数を超える者を対象とし、休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルに関する規定を労働協約、または就業規則に定めること

適用範囲の拡大【上記 対象事業主4.②に該当する場合】

既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入しているが対象労働者が半数以下の場合に、半数を超える労働者に対象範囲を拡大することを、労働協約または就業規則に規定すること

時間延長【上記 対象事業主4.③に該当する場合】

既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場において、労働者の半数を超える労働者を対象として、休息時間数を2時間以上延長して休息時間数を9時間以上とすることを労働協約または就業規則に規定すること

この成果目標に加えて、指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上または、5%以上で賃金引き上げを行うことを成果目標に加えることができます。

助成額

上記「成果目標」を達成した場合に、支給対象となる取組の実施に要した経費の一部が支給されます。

基本助成額

新規導入に該当するものがある場合

scroll
休息時間数(※4)補助率1企業当たりの上限額
9時間以上11時間未満3/4100万円
11時間以上3/4120万円

適用範囲の拡大・時間延長のみの場合

scroll
休息時間数補助率1企業当たりの上限額
9時間以上11時間未満3/450万円
11時間以上3/460万円

賃金引き上げの達成時の加算額

賃金額の引上げを成果目標に加えた場合の加算額は、指定した労働者の賃金引上げ数の合計に応じて、次の表のとおり、上記上限額に加算されます。

常時使用する労働者数が30人以下の場合

scroll
引き上げ人数1〜3人4〜6人4〜10人11〜30人
3%引き上げ30万円60万円100万円1人当たり10万円(上限300万円)
5%引き上げ48万円96万円160万円1人当たり16万円(上限480万円)

常時使用する労働者数が30人以上の場合

scroll
引き上げ人数1〜3人4〜6人4〜10人11〜30人
3%引き上げ15万円30万円50万円1人当たり5万円(上限150万円)
5%引き上げ24万円48円80万円1人当たり8万円(上限240万円)

制度導入企業の声

製造業
総労働時間が削減されたほか、従業員から「体が楽になった」「体調が良くなった」等の声が聞かれ、数値には表れない多くのメリットが考えられる。

福祉業
一時40%を超えていた離職率が6%まで低下。この業界では珍しく入職待機者が多数出るなど、人材獲得においても非常に大きな成果を上げている。

小売業
無駄な時間外労働がなくなり、その日の業務量を終業時間から逆算して決めるといったように、定時で仕事を切り上げる意識が非常に高くなった。

建設業
現場従業員に行ったアンケートでは、回答者の7割が勤務間インターバル制度を含む各種の働き方改革の取組により生産性が高まったと回答している。

勤務間インターバル助成金で労務管理を効率化! : まとめ

助成金を利用して勤務間インターバル制度を導入することで、従業員の健康やワーク・ライフ・バランスを重視し、定着率を高めることができます。さらに、勤怠管理システムの導入により、正確な労働時間の管理を行い、無駄な時間外労働を削減することができます。
助成金を活用して労働環境の改善に取り組み、企業の競争力強化につなげていきましょう。

厚生労働省
令和6年度「働き方改革推進支援助成金」勤務間インターバル導入コースのご案内(https://www.mhlw.go.jp/content/001238768.pdf)
勤務間インターバル制度とは(https://work-holiday.mhlw.go.jp/interval/)
を加工して作成