テレワークの長時間労働を防ぐには

テレワークにおける長時間労働

2020年からのコロナ禍の影響で、テレワークが急速に普及しました。国土交通省の調査では、令和4年全就業者におけるテレワークの割合は26.1%、首都圏では39.6%と、コロナ禍のピークを過ぎた現在でも、ひとつの働き方として定着しています。
しかしテレワークは勤怠管理の難しさがあり、長時間労働が課題となっています。この記事では、テレワークの長時間労働対策について紹介します。

労働者がテレワークで感じた課題

厚生労働省「テレワークを巡る現状について」の調査では、テレワークの際、通常の勤務よりも長時間労働になることが「あった」と回答した者が約半数、また、残業代支払いの対象となる時間外・休日労働を行うことがあった者のうち、残業したにもかかわらず申告していないが「あった」と回答した者が6割超、残業したにもかかわらず勤務先に認められないことが「あった」と回答した者が半数を超えました。

テレワークを巡る現状について

厚生労働省「テレワークを巡る現状について」資料内 日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査2020」を参考に作成

テレワークの効果として、業務の効率化による時間外労働の削減につながるというメリットが期待される一方、労働者が使用者と離れた場所で勤務をするため、使用者の管理が難しくなることから、長時間労働を招くおそれがあることも指摘されています。
使用者はテレワークの長時間労働を防ぐために、以下のように具体的な対策が求められます。

テレワークの長時間労働対策

テレワークの長時間労働対策1. メール送付の抑制

テレワークでの長時間労働が生じる要因として、時間外、休日又は深夜に業務に係る指示や報告がメールがあります。そのため、役職者等から時間外、休日又は深夜におけるメールの自粛を命ずること等が有効です。

テレワークの長時間労働対策2. システムへのアクセス制限

テレワークを行う際に、企業等の社内システムに外部のパソコン等からアクセスする形態をとる場合が多いですが、深夜・休日はアクセスできないよう設定することで長時間労働を防ぐことができます。

テレワークの長時間労働対策3. 時間外・休日・深夜労働の原則禁止等

業務の効率化やワークライフバランスの実現の観点からテレワークの制度を導入する場合、その趣旨を踏まえ、時間外・休日・深夜労働を原則禁止とすることも有効です。

この場合、テレワークを行う労働者に、テレワークの趣旨を十分理解させるとともに、テレワークを行う労働者に対する時間外・休日・深夜労働の原則禁止や使用者等による許可制とすること等を、就業規則等に明記しておくことや、時間外・休日労働に関する三六協定の締結の仕方を工夫しましょう。

テレワークの長時間労働対策4. 長時間労働等を行う労働者への注意喚起

テレワークにより長時間労働が生じるおそれのある労働者や、休日・深夜労働が生じた労働者に対して、注意喚起を行うことが有効です。具体的には、管理者が労働時間の記録を踏まえて行う方法や、労務管理のシステムを活用して対象者に自動で警告を表示するような方法があります。

テレワークの長時間労働対策5. コミュニケーションツールの導入

Eメールでのやり取りは、テレワーク中の従業員間のコミュニケーションが円滑に行えない、また文章の解釈に齟齬が生じるなど、長時間労働を招く可能性があります。以下のようなコミュニケーションツールを導入することで、コミュニケーションの時間を短縮することができます。

ビデオ会議ツール

ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールを提供します。これにより、従業員は顔を見ながら会議を行うことができ、非言語的なコミュニケーションも可能になります。

チャットツール

SlackやMicrosoft Teamsのチャット機能などを利用すると、リアルタイムでのコミュニケーションが可能になります。また、チャットでは文書化も容易なため、後から確認することも可能です。

共有ドキュメントツール

GoogleドキュメントやMicrosoft Office 365などの共有ドキュメントツールを提供します。これにより、複数の人が同時に一つのドキュメントを編集したり、コメントを残したりすることができます。

プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ツールを使用すると、タスクの進行状況を共有したり、優先順位を設定したりすることができます。

テレワークの長時間労働を防ぐには:まとめ

このように、テレワークの長時間労働対策として様々な方法がありますが、基本的には管理者が正しい勤怠管理を行うことが必要です。
残業時間の申請・承認や、管理者がリアルタイムで出退勤状況の確認を行うことが可能な勤怠管理システムを活用し、休日・深夜労働が生じた労働者に対しては注意喚起を行います。

勤怠管理システムは、従業員がオフィスへの出退勤と同じように、自宅等でも業務開始時と業務終了時に打刻を行うことで、正しい労働時間の管理を行うことができ、打刻者画像・GPS位置情報記録により、仕事とプライベートのON/OFFをはっきりさせ、従業員の緊張感を保てるというメリットもあります。
勤怠管理システムを利用することで、テレワークの長時間労働というデメリットを解決し、テレワークの利点を最大に活かしましょう。

厚生労働省「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000683359.pdfを加工して作成