【メンタルヘルス対策】 vol.2教職員

教職員

教職員のメンタルヘルス対策

教職員は、将来を担う子供たちの教育するという重要な職種です。授業そのものに加え学校行事や部活動、保護者や地域との連携等、様々な業務に従事しています。より質の高い教育を提供するためにも、教職員自身がいきいきと働き続けられる環境づくりが重要ですが、平成28年度の文科省の教員勤務実態調査が公表され、看過できない教職員の勤務実態が明らかとなり、ここ数年問題となっています。

教職員の主なストレス・メンタルヘルス不調の原因

教職員を対象とした調査では、業務に関連したストレスや悩みとして、「長時間勤務の多さ」「職場の人間関係」「保護者、PTA等への対応」等が上位に挙げられています。

【業務に関連したストレスや悩みの内容】

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小学校 中学校 高等学校
第1位 長時間勤務の多さ
(45.3%)
長時間勤務の多さ
(45.7%)
職場の人間関係
(41.4%)
第2位 保護者、PTA等への対応
(42.0%)
休日・休暇の少なさ
(42.0%)
休日・休暇の少なさ
(36.2%)
第3位 職場の人間関係
(38.0%)
職場の人間関係
(39.4%)
長時間勤務の多さ
(34.5%)

※平成29年度過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業報告書(教職員に関する調査)
※「業務や業務以外のストレスや悩みがあった」と回答した小学校教職員14813人、中学校教職員7406人、高等学校(全日制)教職員3265人の回答結果に基づく

  • 教員における勤務時間増加の背景には、若年教員の増加、総授業時数の増加、中学校における部活動時間の増加等が挙げられます。(平成28年度教員勤務実態調査より)
  • 精神障害の労災認定事案では、「仕事の失敗、過重な責任等の発生」、業務量の増加等の「仕事の量・質」及び上司・同僚とのトラブル等の「対人関係」等が問題となっています。(平成29年度過労死等の実態解明と防止対策に関する総合的な労働安全衛生研究)
  • 近年の教職員の年齢構成は若手とベテランの二極化が進んでおり、若手の教職員が気軽に相談しづらくなっている可能性も指摘されています。

教職員のメンタルヘルス対策におけるポイント

教職員の心身の健康を確保するためには、健康を害するような勤務時間や職場の人間関係の対策に加えて、保護者・PTA等への対応等、学校や児童・生徒を取り巻く環境に関するものに取り組むことが重要です。教職員特有のストレスに対応できるよう、ストレスチェックを行い、教職員本人にストレス状況の気づきを促すとともに、学校は集団分析結果を活用することにより教職員の職場環境改善につなげる仕組みが重要です。

教職員のメンタルヘルス対策の取り組み例を見てみましょう。

ストレスチェック等を活用

自身のストレスへの気づきと職場環境改善の促進

ストレスチェックの見方・活用方法に関する研修の実施

ストレスチェックの集団分析結果を有効に活用するためには、その見方や活用方法を理解する必要がある。本教育委員会では各部署へ集団分析結果をフィードバックする際、衛生管理者を集めた説明会を開催し、保健師等専門職による結果の見方や職場環境改善への活用方法を講習することで、現場での活用に役立ててもらっている。(都道府県教育委員会)

新規採用者や異動者を対象としたカウンセラーによる面談の実施

市立学校を対象に、カウンセラーが定期的に学校を巡回し、教員や管理職からの相談等に対応している。そのような中、過去数年、新規採用者や異動1年目でメンタルヘルス不調者が出たことから、本人から面談の申出がなくとも、巡回訪問の際にカウンセラーが新規採用者や異動1年目の教職員を対象として面談を実施することとした。悩みやストレスへの対処法に関する助言等の予防的な関わりにより、メンタルヘルス不調を未然に防ぐとともに、メンタルヘルス不調の兆しの発見にもつながっている。(市教育委員会)

長時間勤務の是正

働き方の推進により「勤務時間」を意識

一校一取組の推進

市内全小中学校に対し、教職員自ら長時間勤務削減に資する取組を1つ考え、実践してもらう一校一取組を推進している。考案された取組内容は教育委員会で分析し、好事例については、保護者・児童生徒も含め、広く紹介している。(市教育委員会)

時間外に業務を行う時間を削減

複合的な取組の推進
長時間勤務の実態把握と是正を目的として、ICカードによる客観的な記録に基づく勤務時間の状況の把握、夜間の保護者等からの電話応答終了時刻の設定及び部活動における休養日の設定等の取組を実施した。令和元年度の教員の勤務時間は、2年前と比べて週当たり約2時間減少する等、着実に取組効果が表れている。(都道府県教育委員会)

生徒・保護者への対応に関するサポート体制の確保

スクールロイヤー制度の導入

法律的に丁寧な説明を求める保護者については、学校現場だけでは対応が難しいこともあり、教職員の精神的な負担も大きくなっていた。そこで、本教育委員会において、学校現場から直接弁護士に相談ができる制度を導入した。困ったときに法律の専門家に相談できるという安心感により、管理職を含めた教職員の精神的負担が減ったという声が聞かれている。(市教育委員会)

まとめ

小学校・中学校では、ストレスや悩みとして長時間勤務の多さが1位となっています。
上記のような対策を講じている教育委員会もありますが、文部科学省「学校における働き方改革」の推進状況についてより、平成30年4月1日時点の教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査を抜粋してみると。。。
ICTの活用やタイムカードなどにより、勤務時間を客観的に把握している。と回答した教育委員会は、都道府県18(38.3%)、政令市9(45.0%)、市区町村は696(40.5%)となっており、それぞれ昨年度と比べ増加してはいるそうですが、半分以下となっており、まだまだのようです。
勤務時間の把握はメンタルヘルス対策として大変重要です。一般企業と同じように勤怠管理システムなど利用すれば、勤務時間の管理機能により教職員の長時間労働を発見できますし、教職員自身もマイページ機能で自分の労働時間を随時把握することができます。
教職員の働き方改革は、子供たちのためでもあるので、何よりも重点的に進めてほしいものです。

文部科学省: 「学校における働き方改革」の推進状況についてを抜粋

厚生労働省: メンタルヘルス対策のポイント を加工して作成