【 休暇を活用した学びを支援 】人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース 令和7年4月改正版

人材開発支援助成金の教育訓練休暇付与コース

「人材開発支援助成金」の教育訓練休暇等付与コースは、他のコースと比べて、従業員に教育訓練のための有給休暇や長期教育訓練休暇(例えば30日以上など)を与える制度を導入・適用することを目的としている点が最大の特徴です。
他のコースが主に特定の訓練実施やOJTなどに助成金を支給するのに対し、このコースは企業が従業員の自己啓発やスキルアップを支援するために、まとまった学習時間を確保できる休暇制度を整備・運用することに重点を置いています。
この記事では、人材開発支援助成金の教育訓練休暇付与コースについて、詳しく紹介していきます。

人材開発支援助成金「教育訓練休暇等付与コース」とは?

教育訓練休暇等付与コースは、事業主が労働者の自発的な職業能力開発を支援するための休暇制度や勤務時間短縮制度を導入し、適用した場合に助成が受けられるコースです。
制度を就業規則や労働協約に定めて新たに導入し、実際に労働者に適用することで助成金が支給されます。

各制度の詳細・助成額・要件

教育訓練休暇等付与コースは、主に以下の3つの制度に関する助成で構成されています。それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。

1. 教育訓練休暇制度

3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇を導入し、実際に適用した事業主に助成

助成額

制度導入・実施助成(1事業主あたり)30万円

※賃金要件または資格等手当要件を満たす場合
制度導入・実施助成=加算額6万円

対象となる教育訓練休暇制度

  1. 被保険者を対象とした有給の教育訓練休暇制度であること。

  2. 3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇制度を就業規則または労働協約に制度の施行日を明記して規定するものであること

  3. 制度を規定した就業規則または労働協約を、制度施行日までに雇用する労働者に周知すること。
    就業規則については、制度施行日までに管轄する労働基準監督署へ届け出たものであること。また、労働協約については、制度施行日までに締結されたものであること。

  4. 日単位で取得が可能なものであること。

  5. 被保険者が業務命令でなく、自発的に教育訓練、各種検定、キャリアコンサルティングのいずれかを受講できること。

適用要件

次のいずれの要件も満たす必要があります。

  1. 制度導入・適用計画期間(3年間)内に、企業全体で雇用する被保険者数に応じて、下記表に定める最低適用被保険者数の被保険者にそれぞれ5日以上付与すること。

    企業全体で雇用する被保険者数最低適用被保険者数
    100人以上の企業5人
    100人未満の企業1人
  2. 制度導入・適用計画期間(3年間)の初日から1年ごとの期間内に、被保険者1人以上に当該休暇を付与すること。

2. 長期教育訓練休暇制度

30日以上の長期教育訓練休暇の取得が可能な制度を導入し、実際に適用した事業主に助成。

助成額

賃金助成(1人1時間あたり)1,000円(大企業800円)
制度導入・実施助成(1事業主あたり)20万円

※賃金要件または資格等手当要件を満たす場合
制度導入・実施助成=加算額4万円

対象となる長期教育訓練休暇制度

  1. 被保険者を対象とした有給の教育訓練休暇制度であること。

  2. 所定労働日において、30日以上の長期教育訓練休暇が可能な制度を就業規則または労働協約に制度の施行日を明記して規定するものであること。

  3. 制度を規定した就業規則または労働協約を、制度施行日までに雇用する労働者に周知すること。
    就業規則については、制度施行日までに管轄する労働基準監督署へ届け出たものであること。また、労働協約については、制度施行日までに締結されたものであること。

  4. 日単位で取得が可能なものであること(日単位に加え、時間単位の取得が可能な制度も対象となります)

  5. 被保険者が業務命令でなく、自発的に教育訓練を受講できること。

「長期教育訓練休暇制度」適用要件

次のいずれの要件も満たす必要があります。

  • 所定労働日において、合計30日以上の長期教育訓練休暇を付与すること。

  • 所定労働日において、「1日単位」の長期教育訓練休暇を10日以上連続して1回以上付与すること。

  • 休暇取得開始日及び最終休暇取得日がいずれも制度導入・適用計画期間内であること。

  • 職業訓練、教育訓練、各種検定またはキャリアコンサルティングを受けた日数が、長期教育訓練休暇の取得日数の2分の1以上であること。

既に制度を導入している場合の賃金助成について

本助成金は、原則として、新たに長期教育訓練休暇制度を導入する事業主を対象としています。ただし、有給の長期教育訓練休暇を付与する事業主については、既に制度を導入している場合であっても対象となります。
その場合、通常の支給要件に加え、次のいずれかの要件を満たす場合、賃金助成を支給します。

  • 直近の3事業年度に長期教育訓練休暇制度を適用した被保険者が3人未満であることまたは直近の事業年度に当該制度を適用した被保険者がいないこと。

  • 制度の見直しを行うなど、長期教育訓練休暇制度に基づく休暇の取得者を増加するための具体的な取組を新たに事業内職業能力開発計画に規定すること。

3. 教育訓練短時間勤務等制度

30回以上の所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除が可能な制度を導入し、実際に1回以上適用した事業主に助成

助成額

制度導入・実施助成(1事業主あたり)20万円

※賃金要件または資格等手当要件を満たす場合
制度導入・実施助成=4万円

対象となる教育訓練短時間勤務等制度

対象となる制度は、次の全ての要件を満たす必要があります。

  1. 被保険者を対象とした教育訓練短時間勤務等制度であること。

  2. 所定労働日において、30回(1日に複数回利用した場合は1回とみなす)以上の所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除のいずれも利用することが可能な教育訓練短時間勤務等制度を就業規則または労働協約に制度の施行日を明記して規定するものであること。

  3. 教育訓練短時間勤務等制度による所定労働時間の短縮は、1日につき1時間以上所定労働時間未満の範囲で1時間単位で措置できるものとすること。

  4. 制度を規定した就業規則または労働協約を、制度施行日までに雇用する労働者に周知すること。
    就業規則については、制度施行日までに管轄する労働基準監督署へ届け出たものであること。
    また、労働協約については、制度施行日までに締結されたものであること。

  5. 被保険者が業務命令でなく、自発的に教育訓練を受講できること。

教育訓練短時間勤務等制度 適用要件

  • 制度導入・適用計画期間(3年間)内に、所定労働日において、1回以上の所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除の措置を行うこと。

  • 教育訓練短時間勤務等制度を利用し受講する教育訓練は、同一の教育訓練機関が行う一連の15日以上の訓練を含むものであること。

助成金の支給までの流れ

Step1 職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の策定・周知
職業能力開発推進者を選任。
労働組合等の意見を聴いて、事業内職業能力開発計画を策定し、当該計画を雇用する労働者に周知。
Step2 導入する制度の検討、制度導入・適用計画の作成

次の事項などを検討し、「制度導入・適用計画届」を作成

  • 導入する制度の種類
  • 制度の導入・適用のスケジュール
  • 制度の内容(対象とする労働者や対象とする訓練等)
  • 就業規則または労働協約の記載内容 等
Step3 制度導入・適用計画の提出
Step2で作成した「制度導入・適用計画届」(訓練休暇様式第1号)を、主たる事業所を管轄する都道府県労働局へ提出
【提出期間】制度導入・適用計画期間の初日から起算して6か月前から1か月前までの間
Step4 制度の導入(就業規則の届け出等又は労働協約の締結)及び周知
就業規則または労働協約に制度の施行日を明記した上で、制度を導入。
① 常時10人以上の労働者を使用する事業主が就業規則に制度を規定する場合
⇒ 制度施行日までに、制度を規定した就業規則を労働基準監督署へ届け出。
② 常時10人未満の労働者を使用する事業主が就業規則に制度を規定する場合
⇒ 制度施行日までに、制度を規定した就業規則を労働基準監督署に届け出るか、制度施行日までに、制度を規定した就業規則の実施について、事業主と労働者代表者による申立書を作成。
③ 労働協約に制度を規定する事業主の場合
⇒ 制度を規定した労働協約に、労働組合と使用者の双方が署名または記名押印。
Step5 制度の適用
Step3で提出した制度導入・適用計画に従い、被保険者に制度を適用。
支給申請書(通常分)の提出
支給申請書を、主たる事業所を管轄する都道府県労働局へ提出。
【申請期間】制度ごとに定められた日の翌日から起算して2か月以内
【申請書類】制度ごとに定められた書類
Step7 助成金(通常分)の支給
労働局において支給審査の上、支給・不支給を決定(審査には一定の時間を要します)。

この他にも、様々な要件や注意点があります。詳しくは、以下を参照ください。

厚生労働省『人材開発支援助成金 教育訓練休暇等付与コース』【令和7年4月改正版 詳細版】(PDF)

URL= https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001486211.pdf

【休暇を活用した学びを支援】人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース 令和7年4月改正版:まとめ

従業員がスキルアップを図りたくても、業務と訓練を両立させるのは難しいという理由でためらうケースは多いと思われます。教育訓練休暇付与コースを活用することで、従業員は知識や技術の訓練に集中することができます。
人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コースを活用し、従業員の知識や技術を高めることで生産性向上を実現しましょう。

厚生労働省:人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース)のご案内(詳細版)令和7年4月1日(https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001486211.pdf)を加工して作成