中小企業の生産性向上を実現|助成金を活用した成功事例

中小企業が直面する生産性向上の課題に対し、助成金を活用した取り組みが注目されています。多くの企業が、業務効率化や労働時間の短縮を実現するために、機器の導入やシステム改善を行い成功を収めました。これらの事例では、自動化や新しい勤怠管理システムの導入によって、作業時間の削減や従業員の賃金引き上げが実現され、モチベーション向上にもつながっています。
この記事では、中小企業が実際に行った成功事例を紹介し、どのように生産性向上を達成したのかを紹介します。

生産性向上事例:1 機器の導入

職種介護事業
助成金働き方改革推進支援助成金/労働時間短縮・年休促進支援コース
課題と対応
水やり作業や温度調節作業を手作業で行っており新規顧客の開拓を行う時間がなかったため作業を効率化し、新規顧客への営業を行う時間を確保したいと考えた。
実施概要
業務効率化を検討する中で、助成金を活用して、代表者及び労務管理担当者に対し労働時間短縮及びそのための就業規則の改訂に関するコンサルティングを実施し、温室温度自動調整機器と自動水やり機器を導入。
実施結果
水やり作業や温度調節作業を自動化することで、作業時間を1割削減。
新規顧客開拓のための時間を確保。
不良品率及び肥料費を削減。
成果
就業規則を改訂し、病気休暇と時間単位年休を導入。

生産性向上事例:2 勤怠管理システムの導入

職種介護事業
助成金働き方改革推進支援助成金/労働時間短縮・年休促進支援コース
課題と対応
従業員が個々に勤怠入力しておりミスが多く、労働時間の集計に時間がかかっていた。そこで、従業員の労務管理に対する意識を高めるとともに、労働時間集計の手順見直しを行いたいと考えた。
実施概要
業務効率化を検討する中で、助成金を活用して、社長以下幹部に対し業務プロセスの見直しと労務管理に関するポイントを習得するためのコンサルティングを行い、勤怠管理システムを導入。
実施結果
労働時間管理が厳格になったことで、職員の労働時間に対する意識が高まり時間外労働の削減が実現。2日間かかっていた労働時間の取りまとめ業務が不要に。
成果
就業規則を改訂し、ボランティア休暇を導入。

機能例:勤怠管理システムTime-R

生産性向上事例:3 積算システムの導入

職種総合工事業
助成金働き方改革推進支援助成金/労働時間短縮・年休促進支援コース
課題と対応
設計書と積算書の食い違いによる入力・確認ミスが出たり、過去の工事単価データ参照時に時間がかかっていた。そこで、設計書と積算書を連動させて入力・確認ミスを減らし、過去のデータ参照を短時間で行いたいと考えた。
実施概要
業務効率化を検討する中で、助成金を活用して、新型土木工事積算システムを導入
実施結果
過去データの検索や適切な単価データの抽出が容易になり、入力・確認ミスも削減し、積算時間が25%削減。
業務効率化に伴い、2名で行っていた総務・経理業務が1名で対応可能に。
成果
就業規則を改訂し、11時間以上の勤務間インターバルを新規導入。

生産性向上事例:4 デリバリー拡充のシステム・機材を導入

職種飲食業
助成金働き方改革推進支援助成金/勤務間インターバル導入コース
課題と対応
店内飲食が減少していたため、コンサルティングと設備投資により、販売増と業務効率化を検討した。
実施概要
デリバリー販売を拡大し、揚げ物を短時間で大量に調理することで、多くの注文を受けて処理したいと考えた。そこで、助成金を活用して、デリバリーサイトへの掲載内容についてコンサルティングを受け、受注システム、配達用3輪バイク、二層フライヤーを導入した。
実施結果
コンサルティングを受けてデリバリーサイトへの掲載と受注システムの導入をすることで、電話応対がなくなり配達エリアや配達住所の管理が正確に行えるようになった。また、3輪バイクの導入で配達時間が1日1.5時間削減され、二層フライヤーの導入で6件の注文を一度に調理することができるようになった。
成果
デリバリーの注文受付から配達までの工程と、揚げ物調理の効率化により生産性が向上し、1人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を100円引き上げた。さらに、事業場内最低賃金を上回る従業員の賃金の引上げを実施した

生産性向上事例:5 視聴覚機器と翻訳機の導入

職種食品製造業
助成金業務改善助成金
課題と対応
餅の製造や運搬を手作業で行っていたため時間がかかっていた。また、外国人従業員には写真を使って身振り手振りで作業方法を教えていたため、教育効果が低かった。そのため、設備投資による業務効率化を検討した。
実施概要
餅の製造や運搬の作業を軽減し、外国人従業員にもわかりやすく作業方法を教えたいと考えた。そこで、助成金を活用して、餅つき機、ベルトコンベア、視聴覚機器、翻訳機を導入した。
実施結果
自動製造・運搬機器により、4人必要だった作業が2人でできるようになった。また、視聴覚機器・翻訳機の導入により、写真を使った説明よりも教育効果が向上した。
成果
製造工程と従業員教育の効率化により生産性が向上し、19人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を平均65円引き上げた。

生産性向上事例:6 QRコードオーダーシステムの導入

職種宿泊業
助成金業務改善助成金
課題と対応
おにぎり作りや食器洗浄、また炊飯機の設定や、客席へオーダーを取りに行き厨房へ伝えに戻るなど人手による作業なので時間がかかっていた。そのため、設備投資による業務効率化を検討してきた。
実施概要
おにぎり製造や食器洗いを自動化し、炊飯器の設定作業の簡略化や炊飯時間を短縮化、またオーダー業務を正確かつ迅速に行いたいと考えた。そこで、助成金を活用して、おにぎり製造機、食器洗浄機、自動炊飯器、QRコードオーダーシステムを導入した。
実施結果
おにぎり製造機の導入により、製造者が3名から1名に省力化し、他の業務に人員を配置できるようになった。また、食器洗浄機の導入により、短時間で作業できるようになった。さらに、自動炊飯器を導入することで、設定や操作が簡単になった上、炊飯時間も短縮できた。そして、QRコードオーダーシステムを導入することで、オーダー業務がミスなく短時間でできるようになった。
成果
キッチンやホールの業務効率化により生産性が向上し、10人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を平均149円引き上げた。さらに、事業場内最低賃金を上回る従業員の賃金の引上げを実施した。

生産性向上事例:7 リフト付き福祉車両等の導入

職種:障害者福祉事業助成金:業務改善助成金
課題と対応
車椅子利用者の送迎時には2名で行き介助はすべて人力で行わなければならなかった。また、洗濯機には乾燥機能が無いため干したり取り込んだりする手間と時間がかかり、冷蔵庫は容量が小さいため毎日買い出しに行く必要があった。そのため、車両や機器の導入による業務効率化を検討した。
実施概要
送迎時の介助、洗濯物干しや取り込み、買い出しの負担を軽減したいと考えた。 そこで、助成金を活用して、リフト付き福祉車両、乾燥機能付き洗濯機、大容量冷 蔵庫を導入した。
実施結果
リフト付き福祉車両、乾燥機能付き洗濯機、大容量冷蔵庫の導入により、車椅子利用者の送迎時間及び買い出し回数が半減し、洗濯物干し及び取り込み時間がなくなった。
成果
車椅子利用者の送迎、買い出し、洗濯物乾燥の効率化により生産性が向上し5人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を90円引き上げた。さらに、事業場内最低賃金を上回る従業員の賃金の引上げを実施した。

中小企業の生産性向上を実現|助成金を活用した成功事例:まとめ

これらの事例から、各企業が抱える課題に応じた多様なアプローチが生産性向上に寄与することがわかります。ITツールの導入や業務プロセスの見直しは、助成金を活用することで初期投資の負担を軽減しながら進めることが可能です。
これらの取り組みは、労働時間の削減や賃金の引上げにもつながり、従業員のモチベーション向上や人材確保に寄与します。生産性向上は一朝一夕には実現できませんが、継続的な努力によって企業全体の競争力を高めることが期待されます。これらの事例を参考にして、積極的な改革に取り組んでいきましょう。

厚生労働省:生産性向上のヒント集(https://www.mhlw.go.jp/content/001118344.pdf)を加工して作成