【人事評価改善等助成コース】従業員の成長と企業の発展を結びつけるきっかけに

人材確保等支援助成金「人事評価改善等助成コース」は、生産性向上のための人事評価制度と賃金制度の整備を通じて、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成されます。これまで受付が休止されていましたが、令和6年度に受付が再開されました。
この記事では、人材不足の解消を目的とした人事評価改善等助成コースの概要や申請手順について解説します。
Contents
人事評価の重要性
人事評価制度は、従業員の能力や業績を評価し、それを基に人事管理を行う制度です。明確な評価基準と目標を設定することで、従業員のモチベーションを高め、離職率を低下させることができます。
人事評価制度は従業員の配置や処遇の基準になるだけでなく、企業のビジョンや経営方針の浸透、適切なフィードバックによる従業員の育成などにも有効です。
小規模企業ならではの人事評価制度のメリット
従業員規模が小さい企業は、経営者が全従業員の状況を把握しているためという理由で、人事評価制度を導入しないケースが多いです。しかし、いずれの従業員規模においても、人事評価制度がある企業の方が、売上高増加率が高いことが分かっています。※
※帝国データバンク「中小企業の経営力及び組織に関する調査」より
特に、従業員規模が小さい企業は、人事評価改善等助成コースの申請プロセス自体が、直接的かつ重要な効果を生み出す可能性が高く、助成金額以上のメリットが大きいと言えます。
人事評価改善等助成コース申請プロセスがもたらす効果
組織の自己分析
申請のために現状の人事制度を見直すことで、自社の強みや弱みを客観的に分析する機会となります。これは小規模企業にとって貴重な自己診断の機会です。
制度設計の学習
助成金の要件を満たすために人事評価制度を設計する過程で、経営者や人事担当者が人事評価の基本的な考え方や方法論を学ぶことができます。
従業員との対話促進
新しい評価制度の導入に向けて従業員と対話する機会が増え、組織内のコミュニケーションが活性化します。
また人事評価改善等助成コースの申請には、小規模企業ならではのメリットもあります。小規模企業では、ほぼ全従業員が申請プロセスに関わることができ、全社的な理解と協力を得やすいでしょう。また、経営者が直接申請プロセスに関与することで、人事評価の重要性を深く理解し、長期的な視点で人材育成に取り組む契機となります。
人事評価改善等助成コース概要
支給額
人材確保等支援助成金「人事評価改善等助成コース」の支給額は、80万円です。
人事評価制度の改善は、短期的な成果だけでなく、従業員の長期的な成長と組織の持続的な発展を促進します。そのため人事評価改善等助成コースは、助成というより、組織の将来を見据えた取り組みを開始するきっかけと言えるでしょう。
主な条件
雇用保険の適用事業主であること
引き続き、整備した人事評価制度等を実施していること
人事評価制度等の整備計画を都道府県労働局長に提出し、認定を受けた事業主であること
同一の人事評価制度等対象労働者を、最低1名は雇用保険被保険者として継続して雇用していること※1
毎月決まって支払われる賃金の総額を比較したときに3%以上増額させたこと※2
離職率を目標値以上に低下させること
社会保険の適用事業所であり、雇用している労働者を被保険者としていること
※1 人事評価制度等の適用開始日から、支給申請日の前日までの間
※2 「実施日の属する月の前月」と「実施日の属する月」
※3 新制度等における人事評価を受けた人事評価制度等対象労働者が新制度において平均的な評定を受けた場合の賃金額
その他、過去に助成金を受給等している場合、事業主都合での解雇等に関する要件などがあります。
支給申請期間
人材確保等支援助成金「人事評価改善等助成コース」の助成金を受けようとする事業主は、人事評価制度等の実施日、または評価時離職率算定期間の末日のいずれか遅い日の翌日から起算して2か月以内に、申請書等を各都道府県労働局に提出します。
例えば、人事評価制度等の整備を2024年12月1日にする場合は、2024年6月1日から2024年11月1日までに計画を提出する必要があります。
申請から支給までの流れ
- 1.人事評価制度等整備計画の作成・提出(計画の認定申請)
- 期間内に、本社の所在地を管轄する都道府県労働局へ提出します。
- 2.認定を受けた整備計画に基づく人事評価制度等の整備
- 労働協約または就業規則に明文化することが必要です。
- 3.人事評価制度等の実施
- すべての人事評価制度等対象労働者に実施することが必要です。
人事評価制度等の適切な運用を経て、「労働者の賃金の3%以上のアップ」「離職率の低下に関する目標」のすべてを達成した場合に、申請します。
- 4.支給申請
- 人事評価制度等の実施日又は評価時離職率算定期間の末日のいずれか遅い日の翌日から起算して2か月以内に、本社の所在地を管轄する都道府県労働局へ提出します。
- 5.助成金の支給
- 80万円が支給されます。
【人事評価改善等助成コース】従業員の成長と企業の発展を結びつけるきっかけに:まとめ
人材確保等支援助成金 人事評価改善等助成コースは、企業の人事評価制度の改善を支援する重要なツールです。特に、小規模企業にとっては、助成金の受給以上に、申請プロセス自体が組織改革や人材育成の重要なきっかけとなり得ます。
従業員にとっても、自身の成長と努力が正当に評価される機会となり、その結果、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下につながります。
この助成金の活用は、単なる制度の導入にとどまらず、企業文化の変革や長期的な組織の発展につながる可能性を秘めています。
適切な制度設計と運用により、企業と従業員が共に成長できる環境づくりを目指すことができるでしょう。
厚生労働省:人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)を活用してみませんか?
(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001237899.pdf)を加工して作成
